3Dテレビは、もはや遠い未来の話ではない。今や家電メーカー各社が3Dテレビを発表している。2010年4月にパナソニックの「3Dビエラ」発売開始に続き、ソニーも2010年中に「3Dブラビア」と3D対応のAV機器を続々と投入する予定だ。
時代は3Dへ!パナソニック、次世代の3Dテレビと3D対応レコーダーを発表

3Dテレビとは、家庭用テレビでリアルな立体映像を楽しめるものだが、採用している3D表示方式はメーカーごとに異っている。各社とも独自の技術が盛り込まれており規格が乱立しているのが現状だ。

家電メーカーの中でも液晶技術には定評のあるシャープは、開発段階ではあるが液晶ディスプレイに世界初の4原色技術を使った3Dテレビを開発した。

今回は、液晶のシャープが自信を持って世に送り出す3Dテクノロジーについてフォーカスしてみた。

■2Dの映像が3Dに見える理由 - シャープの立体映像の原理
人は左眼と右眼で異なる映像を見ることで立体を認識している。今回、シャープが開発した液晶ディスプレイは、右眼用と左眼用の映像を交互に表示するものだ。

左右それぞれの表示にあわせて、専用メガネの液晶シャッターが開閉することで、右眼用と左眼用の映像を左右の目に別々に見せることで立体を表示させるという方式だ。

このアクティブ液晶シャッターメガネを使用することで、2Dの映像であっても3Dに見えるというわけだ。

■3D映像を実現する4つの液晶技術
アクティブ液晶シャッターメガネ方式は、3D表示時の輝度が低く、クロストークなどの課題があった。そこでシャープは、次のような独自技術を融合させ、これらの課題を克服した。

●高コントラストなディスプレイ!UV2A技術
UV2A技術は、液晶パネルの構造を簡略化させることで、液晶の性能を一気に高める技術だ。明るく、クロストーク(二重像現象)がなく、高コントラストな3Dディスプレイを実現することができる。

●従来よりも明るいディプレイ!4原色技術
カラーテレビは、光の3原色(赤・緑・青)により、カラーを表現している。4原色技術では、光の3原色に黄色の画素を加えることで、従来よりも明るく高色再現な3Dディスプレイを実現した。

●省電力ながら高輝度なディスプレイ! FRED技術
従来技術では、液晶パネルの配線に2本の信号ラインを用い、2列同時駆動により、周波数負荷の対策を行っていた。FRED技術では、シングルソース配列により、輝度が高まり、より明るい3D映像が楽しめるようになった。また部品点数も半減したことで、低消費電力も実現した。

●二重像現象が出にくいディスプレイ!サイドマウントスキャニングLEDバックライト技術
液晶はプラズマと違い、液晶自体が光らないので、後ろから照らす装置「バックライト」が必要だ。バックライトには、これまで蛍光管が用いられたが、コントラストが低いうえに、薄型化にも限界が見えていた。

シャープは、液晶パネルのバックライトをサイド入光方式のLEDバックライトに変更することで、光の分割性能を高め、コントラストを向上させた。LEDバックライトによって、二重像現象が出にくく、またパネル自体の薄型化も実現した。


3Dテレビ市場では、他社に先行を許したシャープだが、独自技術による巻き返しができるか否か。
今後の3Dテレビの覇権争いが注目されるところだ。


シャープ

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