au初のAndroid端末は、手帳サイズから大きく飛躍したブック型端末だ。
Androidは、ケータイ電話だけでなく業務端末やモバイル機器への組み込みOSとしても期待されている汎用性を持つモバイルプラットフォームである。スマートフォンに限定されない多様な展開ができることも業界がAndroidに期待している要因でもある。

スマートブック IS01は、Androidが持つ多様性という可能性をいち早くスマートフォンのカテゴリの中で具現化した端末でもある。

今回は、実機をおかりできたので、ハードウェア周りやコンセプトなどの基本機能を中心に、au初となるAndroid端末IS01の可能性を見てみたい。
※実機は開発中のため、仕様変更の可能性あり

■黄金サイズのハンドヘルド端末
IS01は、液晶部とキーボード部に別れているノートPCと同じようなクラブシェルタイプの端末だ。本体の大きさは、幅83mm×高さ149mm×奥行き17.9mmと、ノートPCよりははるかに小さく、札入れくらいの大きさである。
今、人気のiPhoneやXperiaは、手の中に収まる手帳型端末はビュワー的な用途に適した端末であるが、入力の利便性はやや劣る。その点、ノートPC型の端末はハードウェアキーと広い画面から入力には適した端末なのだ。

液晶は、約5.0インチ、960×480ドット(フルワイドVGA)と、ネットブックよりは狭いが、5.0インチの画面サイズでウェブを見るには十分な高解像度だ。また、タッチパネルを採用しているので、iPhoneやXperia同様に画面をタッチして操作ができる。
PCサイトも十分に閲覧できる5インチ960×480ドット画面

IS01の一番の特徴であるキーボードは、パンタグラフキーを採用したフルキーボードを搭載している。このサイズの端末でパンタグラフキーを採用したことは、かなり評価できるだろう。パンタグラフは、キーの中心からずれてキータイプした場合でも安定してキーが沈み込み認識されるほか、軽い打鍵でも認識されるため、長時間キー入力しても疲れにくいため、多くのノートPCでも採用されている。

IS01のように通常利用しているキーボードとサイズが異なると、どうしても打鍵ポイントはずれてしまうことが多くなるが、パンタグラフキーであれば、多少タイピングがぶれても文字入力がしっかりできるわけだ。
キーボードは文字が打ちやすいパンタググラフキー

IS01は、いつでもどこでも長時間の文書作成やデータ入力にも対応できるうえ、通信でデータを離れた会社や人と共有することができる。移動中のビジネスメール、文書の下書きなどノートPCやネットブックなどの代替えとしても十分に役立ちそうだ。このサイズのキーボードでは小さいように思われがちだが、実際に打ってみれば多くの人がすぐに打てるようになるサイズでもある。
キーボードはフルキーボードを搭載

過去、IS01サイズのフルキーボードを搭載した小型端末は、LXシリーズやジョルナダシリーズなど、いくつか登場している。いずれも熱心なファンの支持を獲得している。つまり、このサイズはハンドヘルド端末としては、隠れた黄金サイズでもあるのだ。また、このサイズの端末好きなユーザーにとっては、音声通話、3G回線が使えるスマートフォンとして国内のどこでも利用できることは大きな魅力となるだけに、かなり気になる存在となるに違いないだろう。

■キーボードから手を離さず操作も可能
IS01の本体キーボードの上には、ハードウェアキーが配置されている。
左上は、電源キー兼用の受話キーとホームキーがある。IS01では、液晶を開いたままで通話することも、液晶を閉じて通話することもできる。ビデオチャットできるアプリが利用できれば、IS01を使ってテレビ会議といったビジネス活用もできそうだ。
受話キーとホームキー

右上には、キャンセルキーとメニューキー、カーソルキーがある。カーソルキーは画面をタッチしなくても画面上の項目を素早く選択できる。操作での自由度が多いマウスポインターと、素早い移動ができるカーソルキー、どちらがいいかは悩ましいところが、大きく手を放さずに操作ができることからキーボード派の人には嬉しい機能といえるだろう。ただ、あえて欲をいえば、キーボード中央に配置して欲しかった。
カーソルキーとメニューキーなどが並ぶ右上

■コネクタは前面でカバー付き
本体前面の下部には、microUSB、平型イヤホンが備わっている。
カバーは、紐付きタイプで頻繁に接続したりするユーザーには、やや面倒だ。またこの形だと充電クレイドルといった使い方は少々難しいかもしれない。
microUSB、平型イヤホン

■バッテリーとSIMとメモリカード
背面のカバーを開けるとSIMとmicroSD、バッテリーを交換できる。
IS01の通信方式は、CDMA 1x EV-DO Rev.A(CDMA 1X WIN)。W-CDMAのドコモやソフトバンクモバイルとは異なるため、SIMカードの互換はない。
余裕のあるSIMとマイクロSDスロット

■メニューはカードスタイルで一覧性が高い
画面左下のメニューアイコンをタップすると、アプリケーション一覧が表示される。頻繁に利用するアプリはデスクトップにドラッグすることで配置できる。カードメニューはスライドさせて表示を切り替えられる。カードメニューのアイコンと文字がやや小さい気もするが、一覧性もよく、操作しやすい。
カードメニュー

■マルチタスクを使い倒せ
Androidのメリットは、マルチタスクだ。複数のアプリケーションを同時に起動して、使いわけられるので、素早いアプリの切り替えができる。
IS01では、画面右下にタスクマネージャーが配置されており、このアイコンをタップすると、現在起動中のアプリを見ることができる。表示されたアプリをタップすればアプリに切り替わり、×の終了アイコンをタップすればアプリを終了させることができる。
タスクマネージャー

IS01だが、AndroidというOSをかなり使い込めるように配慮さえられたキーボード端末だ。
タッチ操作だけしか注目されてない昨今だが、ハードキーボード+タッチ操作の楽しさ、文字入力の快適さ、便利さは、IS01に軍配があがる。

IS01は、しばらく空白だったキーボード型ハンドヘルド端末の隙間を埋めることができるだろう。

au スマートブック IS01

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