Microsoft Office 2010が登場し、表計算ソフトのExcelも2010となった。新バージョンでは、データを分析、表示するための機能が追加されている。単にデータを集積するだけでなく、それを視覚的にも分かりやすく表示して、表を見ることでデータの分析まで行える。今回はそんなExcel 2010の新機能を紹介しよう。これらの機能を使いこなして、アピールできる表作りを目指してほしい。

■知っ得 No.0149 Excel 2010の新機能を使いこなす
Excel 2010では、セル内の数値を条件に従って分類し、書式を設定する「条件付き書式」の機能が強化されている。また、新たな機能として、1つのセル内に小さなグラフを作成する「スパークライン」、ピボットテーブルで集計したデータを簡単に絞り込むことができる「スライサー」が追加されている。

●「条件付き書式」の新しいアイコンセットでデータを見やすくする
セルに入力されたデータを条件によって書式を変えることで見やすくするのが「条件付き書式」だ。たとえば数値の大きさにより、セルの色を変えたり、アイコンを設定したりすることで、ひと目でデータの状態を確認することができる。

Excel 2007では、設定するアイコンを、既存のアイコンセットから選択するようになっていたが、2010では、新たに自分でアイコンセットを作成することができるようになり、表現の幅が広がった。

新しくアイコンセットを作成するには、書式を設定する範囲を指定し、[ホーム]タブ-[条件付書式]-[アイコンセット]-[その他のルール]を選択する。[新しい書式ルール]ダイアログボックスで条件を設定し、[アイコン]でアイコンを設定する(画面1)。
画面1 [アイコン]の右側の▼をクリックし、一覧から使用するアイコンを選択する

[OK]をクリックすれば、作成したアイコンセットに従ってアイコンが設定される(画面2)。
画面2 独自のアイコンセットが設定された

また、このほか「条件付き書式」のデータバーでは、セルの中に軸を表示し、プラスとマイナスで左右に分けて表示することもできるようになった(画面3)。数値を比較した際に用いると、一目で増減を確認できるので便利だ。
画面3 数値のプラスマイナスを左右に分けて表示するデータバーも追加された

●「スパークライン」でデータの変化を見る
Excel 2010で新たに搭載された機能に「スパークライン」がある。これは行単位のデータをグラフにし、1つのセル内に作成してくれる機能だ。これを使うと、データがどのように変化しているかという傾向を見ることができる。

グラフの元となるデータを範囲指定し、[挿入]タブの[スパークライン]グループで、挿入したいグラフの種類を選択する。[スパークラインの作成]ダイアログボックスの[場所の範囲]で、スパークラインを配置する場所を選択したら、[OK]をクリックする(画面4)。
画面4 スパークラインを配置する場所を指定し、[OK]をクリック

設定した範囲にスパークラインが設定された(画面5)。[スパークラインツール]の[デザイン]タブで、グラフの書式を細かく設定できるので、いろいろと試してみよう。
画面5 スパークラインが設定され、1つのセルにグラフが表示された

●「スライサー」でデータを分析する
Excelには、ピボットテーブルという機能がある。これは作成されている一覧表の中から、ある項目のデータだけを選んで新たに表を作る機能だ。「スライサー」は、このピボットテーブルで集計しているデータの中から、必要なデータを簡単操作で絞り込むことができる検索フィルターだ。

ピボットテーブルを設定した表内を選択し、[挿入]タブ-[スライサー]を選択する。[スライサーの挿入]ダイアログボックスでスライサーとしたい項目にチェックを入れ、[OK]をクリックする(画面6)。
画面6 スライサーとしたい項目をチェックし、[OK]をクリック

スライサーが挿入される。項目を選択すると、データが絞り込んで表示することができる(画面7)。
画面7 スライサーで項目を選択することで、簡単に表を絞り込める

このように、スライサーを操作することで、絞り込み状態を簡単に変更することができるし、現在どのような要素で絞り込まれているのかもスライサーを見れば一目瞭然というわけだ。さまざまな角度からデータを分析するにはもってこいの機能だろう。

以上、Excel 2010でのデータの見せ方についての強化機能、新機能を紹介した。どれもデータを分析、表示する上で役に立つ機能ばかりだ。作成した表を活用するために利用してもらいたい。

編集部:池田利夫+岡本奈知子(ジャムハウス)
制作編集:エヌプラス
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