人気商品が破格の価格で獲得できるベニーオークションは、一人勝ちする資本主義ならではのシステムである。
破格の価格で商品を獲得するために参加費を使って入札し、ライバルに競り勝つゲーム性の高いベニーオークションは、豊かになった現代社会を象徴するゲームとも言える。

日本を含む資本主義社会は、親から受け継いだ資産や地位の違いなどもあり、必ずしも平等な社会ではない。しかし個人の努力や才能で勝利者となれるチャンスが豊富にあるのも資本主義社会の特徴だ。

極端な貧困が減少した日本を含む諸国では、一攫千金や大きな成功が手に入る競争社会の方が、競争がない社会より望まれているという見方もできる。

勝利者がいれば敗者がいる、それは競争の原理だ。ベニーオークションにおいては、敗者は、入札に敗れたユーザーと限ったことではない。オークションの運営者も、敗者となる可能性はあるのだ。

実際にベニーオークションをオープンしたエイラクセンの運営者A氏に、ベニーオークション運営の今を伺ってみた。

Q:ベニーオークションは、儲かっているのですか?
A氏:まだ開始して2カ月ですので儲かっておりません。

Q:ベニーオークションの利点はどこにあると思いますか?
A氏:タイミングを見計らえば、少額で商品を落札できる点。
実際に、300円分のゼニー購入(5ゼニー)でwiiを落札された方がいらっしゃいます。

Q:ベニーオークションの問題点はどこだと思いますか?
A氏:日本にはなじみのないサービスなので、ルールを理解するのに時間がかかる点です。
あまりにも格安で手に入るため、ユーザーに怪しいと思われてしまう点も問題です。
「本当に商品が届くのか?」という心配をされたり、「詐欺ではないのか?」と疑われてしまうのも、まだまだ新しいサービスだからだと思います。

Q:ベニーオークションを開設した理由はどうしてですか?
A氏:ペニーオークションの仕組みを利用して、参加者に娯楽的要素を提供しながら還元することができるサービスだと思って始めました。
ネット上でアミューズメント施設のUFOキャッチャーのような娯楽を提供したいとおもい開設しました。

Q:これまでの落札例を教えていただけますか?
A:5月の落札された例を紹介します。

PSPが66円で落札

手動入札と自動入札のユーザーが競いあって、結果として自動入札のユーザーが落札されました。
65回入札なので、一人で入札したとしても5000円以下で入手できたケースとなります。

続amazonギフトカード 10,000円分

一万円のギフトカードが1,003円で落札されました。これは、自動入札が続いていた直後に手動入札で落札が決定しています。
タイミングを見計らって入札して、約90%OFFで落札というケースです。

OMRON オムロン マッサージャ TOKOTON PRO たたき&バイブ HM-162
66円で落札。手動入札にて13回入札で落札されました。

amazonギフトカード1,000円
なんと、1回入札での落札です。入札参加者がいないと、こんな結果になることもあります。

Q:ベニーオークションで運営者は儲かると思いますか?
A氏:儲けるのではなく、参加者への還元の仕組みとして運営するべきではないかと、今は思っています。
参加者の方々へ娯楽的要素の提供をする対価として手数料を頂くというモデルです。
それでも、サービス維持するためには、参加者数がある程度は必要ですけど・・・。


登録者数や参加者数を獲得できなければ、オークション運営で儲けるのは意外と簡単ではなさそうだ。登録者の少ないサイトでは、参加者は格安に落札できるチャンスが大きくなるわけだ。南アフリカのワールドカップ期間は、同サイトでも閑古鳥が鳴いたと言う。

とはいえ、そのような状況が続けば、オークションサイトそのものに赤信号が点灯するだろう。

現在、雨後の竹の子のように生まれているベニーオークションだが、案外、負け組は運営者という未来も決してあり得ないことはないのかもしれない。


オークションゲーム エイラクセン

■オークション最前線をもっと読む
ベニーオークションは誰が儲かるのか?運営者が語る仕組みと課題