銀座という街は、独特のたたずまいを持った街だ。

老舗の百貨店やブランド店から各地の名店もあり、夜ともなれば高級飲食店がきらびやかに彩る繁華街である銀座は、日本有数のアートギャラリーが揃う文化街でもある。

その銀座を見渡すリコーフォトギャラリー「RING CUBE」は、既成一般のギャラリーとは一線を画す独自の企画による写真展を次々に展開し、国内だけでなく世界でも注目されるフォトギャラリーだ。

「RING CUBE」の活動は、ギャラリー内での展示だけにとどまらない。地上9Fという立地をいかした三愛ドリームセンターのリコー袖看板もそのひとつで、銀座の中心で行き交う人びとにアートを発信する場にもなっている。

現在、このリコー袖看板には、今年(2010年)1月の『フォトグラファーズ・サミット』の「GR DIGITAL 広告写真コンテスト」で入賞した写真家・影山雅司(かげやま・まさし)氏の作品「Something Else」が掲げられている。「GR DIGITAL 広告写真コンテスト」での応募総数113件の中から、銀座の街並みにふさわしく、GRらしさをもっとも体現した作品として影山雅司氏が選ばれた。
影山雅司氏の作品「Something Else」

影山氏は、自身も元サックスプレイヤーという経歴を持つ異色の写真家である。サックスの師匠でもある神崎ひさあき氏の勧めにより写真の世界に入った影山氏は、優れた才能を持ちながらも一般の方々があまり耳にすることのない国内外のジャズミュージシャンの写真を撮り続けることでスポットを当てている。影山氏は、「写真」はミュージシャンとコミュニケーションのための大事な手段と語っている。
影山雅司氏の作品(ピアノ:北条直彦氏、ベース:古野光昭氏)

■特別賞受賞に寄せて・・・影山雅司氏
この写真は、夏の日のある夕方の雨上がり、アスファルトの水溜まりに写り込んだ空模様と、通りがかった女性の足跡でできたさざ波が、偶然重なった一瞬を捉えたものです。

銀座4丁目の交差点を通りかかった皆さんにも、是非、日常の何気ない風景のなかに、全ての世界が写りこんだような、非日常的な美しさを感じとっていただければ幸いです。

誰しも日常の中で見逃している貴重な瞬間がまだまだたくさんあると思いますが、カメラを持ち歩いていると、その瞬間に出会える可能性が少しでも高まるかもしれません。何気ない光景から新しい世界が始まる瞬間を感じてみてください。
リコーフォトギャラリー「RING CUBE」袖看板の前で

リコーフォトギャラリー「RING CUBE」

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