手描きで温もりある色使いと演出手法で、実写映像ならちょっとしたホラーの作品もシュールかつキュートに仕上げてしまうのが、2人組ユニットOHRYS BIRDの魅力だ。気持ち悪いけど奇抜なストーリーが面白い「寿司の森」と、2008年ブロスタTVアワードの受賞作品でもある「ポップマン」。自作のBGMとSEにも注目してほしい。

■「寿司の森」

「寿司の森」をiPadで見る
「寿司の森」をiPhoneで見る
「寿司の森」をPCで見る

【作品解説】
夏休みに昆虫採集のため、父と森にきた少年。しかし、父はこの森に“昆虫”はいないと告げる。なんとそこは“寿司”の森だった。少年に襲いかかる寿司。少年のトラウマとなるひと夏の思い出。

この作品は、脚本家の浦沢義雄さんのお話をシリーズ化するというお話を頂き、制作しました。はじめて人の脚本をアニメ化した作品です。まるで昆虫のような寿司の動きに注目してください。

■「ポップマン」

「ポップマン」をiPadで見る
「ポップマン」をiPhoneで見る
「ポップマン」をPCで見る

【作品解説】
ポップコーンと映画が大好きな男。ある日、男の体からポップコーンが出てくる。そのポップコーンは映画の面白さで量が増減するのだった。そのことが世間に知られ、注目の的となり、男の生活はどんどん派手になっていく。そしていつの日か、男は体からポップコーンが出なくなったことに気がつくのだが…。

ブロスタTVのコンテスト募集企画でカニリカさんの脚本を読み、是非作りたいと思いました。締切まで限られた時間だったので、キャラクターをシンプルに描きました。その分、
色使いにこだわって表現した作品です。

■力業で個性を出す
なるだけアプリケーション付属の機能やエフェクトは使わず、ひとつひとつの動きも作画するようにしています。例えば、熱で空気がユラユラ揺れているカットでも、アフターエフェクトは使わずに上田の想像でユラユラを作画していきます。とても時間がかかる作業ですが、独特の味がある映像に仕上がるコツだと思っています。
また、実際とは違う色を付けて、独特の雰囲気作りを心がけています。例えば「寿司の森」の場合は、人物は白黒で背景は紫系の色のみを使っています。そうすることで、非日常的な雰囲気が出ることを狙っています。また、寿司だけ実際と同じ色を付けたことで、作品の中での異物感を出しました。

■CGならではの作り込みで表現したい
「寿司の森」は、寿司を生き物のように動かしてみたり、鳴声を付けてみるなど、CGならではの作り込みで出来上がった作品です。普段何気なく食べているお寿司を恐怖の対象に見せるということもCGだからこそ出来たことだと思います。
「ポップマン」では、主人公の体からポップコーンが出てきますが、リアルな実写映像なら、おそらくホラーです。違和感なく、キャラクターを通して可愛く見せることができるのもCGならではだと思います。

■ミュージックビデオを作りたい
バンド活動からアニメーション制作へ転向したOHRYS BIRDの二人は、小学生の時から一緒だったという。そんな二人が影響を受けた映像監督は、スパイク・ジョーンズとミシェル・ゴンドリー。今後、音楽と映像が融合した作品をたくさん手掛けていきたいという。それ以外では、テレビCMなど多くの人の目に触れて子供から大人まで楽しんでもらえる作品を作っていきたいそうだ。これからも息の合った作品作りを楽しみにしたい。

■OHRYS BIRD プロフィール
2002年 、上田走と大類道久の二人で音楽バンドOHRYS BIRDを始める。
バンドのHP制作に力が入りすぎ、アニメーション制作を開始。腕試しに応募したコンテストで入賞したため、これぞ天職なのではと勘違いし現在に至る。そんな経緯から、アニメーションで使われているBGM・SE等も全て自分たちで作っている。

iPhoneサイト
iPadサイト
・ドコモサイト(iモーション対応端末)

ブロスタTV

【iPhoneで無料ムービー】の記事をもっと見る
少年の心を思い出させてくれる、冒険活劇3DCGアニメーション
温かい気持ちになれる!満員電車で隣に座ったおじさんのお話
脱力系で現代人の心を癒せ 三角定規の本音とは?
月夜に繰り広げられる、ひげの大蛙と新前忍者の戦い