社内にiPadの利用者が増えてきたら、会議資料はiPadで読むことにしてはいかがだろう。ペーパーレス化を推進して、エコにも貢献できる。今回は、iPad、iPhoneの電子書籍リーダーとして利用されることが多い、「iBooks」で読むことができる「EPUB形式」の書類を作ってみよう。フリーソフトを使えば、Wordなどのワープロソフトを使う感覚で、会議資料を編集し、完成させることができる。

■知っ得 No.0160 会議資料を電子書籍のEPUB形式で作る
iPadやiPhoneは、電子書籍リーダーとしても利用される。電子書籍は、オンラインの書店で購入したり、自炊(知っ得143回のリンク)するだけでなく、自分でオリジナル作品を作ることもできる。同じ方法で、会議資料などの社内書類を作成することも可能だ。電子書籍の作成は、フリーソフトを使って行える。ここでは、EPUB形式のファイルを作成できるフリーソフト「Sigil」を使ってみよう。

Sigilは、オープンソースのソフトウェアだ。公開サイト(http://code.google.com/p/sigil/)では、Windows、Macintosh、Linux版がそれぞれ公開されているので、ここでは、Windows版のセットアップ付きプログラムをダウンロードして、インストールしてみる。

●Sigilを使えば、Word感覚で電子書籍を編集できる
Sigilを起動すると、見た目は簡易なワープロソフトのようだ。文字を入力したら、範囲指定して、ツールバーのアイコンをクリックし、センタリングや(画面1)、太字などの書式を設定しよう。EPUB形式は、XHTMLファイルで構成されるので、見出し文字には「Heading」という書式を使用する(画面2)。ワープロソフトと同様の操作で、画像の挿入も行える(画面3)。
画面1 文字を入力したら、範囲指定して、ツールバーの[Centering]ボタンをクリック。

画面2 見出し文字の大小を付けたいときには、[Heading]を利用しよう。

画面3 [Insert Image]ボタンをクリックし、画像ファイルを指定して挿入する。画像に対して、[Centering]の設定も可能。

●iPadと同期して読んでみよう
電子書籍が完成したら、タイトルや作者、言語などを記載したメタタグ情報を付けておこう(画面4)。続けてファイルに名前を付けて保存すると、拡張子が「.epub」のファイルが作成できる。iPadとの同期では、「.epub」形式をiTunesに関連づけておくと、この後の作業がスムーズになる(知っ得143回のリンク)。iTunesの同期画面に、作成した電子書籍が表示されているのを確認して、同期を実行しよう(画面5)。同期が完了したら、iPadのiBooksに表示してみよう(画面6)。社内で配布すれば、iPadのユーザーに会議資料として持ち運んでもらえる。
画面4 [Tools]-[Meta Editor]を選択して、タイトル(Title)、作者(Auther)、言語(Language)の情報を設定。このあと、[File]-[Save As]を選択し、名前を付けてファイルを保存。

画面5 iTunesの同期画面の「ブック」で、作成した電子書籍が同期の対象に選ばれていることを確認し、同期を実行する。

画面6 完成した会議資料をiPadのiBooksに表示。文字サイズの大小も選べるので、ユーザーごとに見やすい表示方法にできる。

Sigilには、XHTMLを直接操作する機能も用意されている。Webページ作成の経験があるなら、HTMLとの共通点も多いので、文字色の変更などを試してみよう。

iPadを導入してみたものの、イマイチ活用できていないとの声を聴くことも多い。電子書籍リーダーとしての機能を利用して、社内資料の配付に活用してはいかがだろう。エコ活動への第一歩など、電子書籍の作成は副次的なメリットも多いのだ。

編集部:池田利夫、篠崎 哲、岡本奈知子(ジャムハウス)
制作編集:エヌプラス
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