納品日までの日数や作業時間の管理、給与の計算などをExcelで行う機会は多い。けれど、24時間を超える時間計算や、土日を除いた営業日数の計算などがうまくできずに、困った経験はないだろうか? 今回は、Excelで日付や時間を効率良く計算するテクニックを解説する。適切な時間管理を行うことで、業務を効率化しよう。

■知っ得 No.0166 Excelで時間管理する4つのテクニック
スケジュールやタスクの管理、給与の計算などをする際にExcelを活用すれば、時間の計算、予定作業時間の見通しなどが立てやすい。今回は、Excelを使って日付や時間を計算する方法を解説しよう。24時間を超える計算、AMPM付きの時刻表示、土日祝祭日を除く日数の計算、曜日で異なる時給の計算を行ってみる。

●24時間を超える時間を計算する
作業時間の合計などを求める場合には、24時間を超える数値も必要になる。ところが、Excelで時間計算を行うと、「24時間=0」となってしまう。ユーザー定義の書式を変更することで、24時間以上の数字も表示できるようにしてみよう(画面1~画面2)。
画面1 C8セルには、作業時間の合計を求める「=SUM(C3:C7)」が入っている。このセルを右クリックして、[セルの書式設定]を選択。[表示形式]タブの[ユーザー定義]で以下の書式を入力する。
[h]:mm

画面2 [セルの書式設定]ダイアログボックスの[OK]ボタンをクリックして閉じると、合計時間に24時間を超える数値が表示される。

●AMPM付きの時刻を表示する
作業の開始時刻と終了時刻を管理したいとき、12時間表示と24時間表示のどちらにするか混乱しがちという方は、AMPM付きの時刻表示を選択できる。こちらは、[セルの書式設定]の[表示形式]にあらかじめ登録されているので、選ぶだけだ(画面3~画面4)。
画面3 時刻を入力しているセルを範囲指定し、右クリックして[セルの書式設定]を選択。[表示形式]タブの[時刻]で「1:30PM」のようにAMPM付きの書式を入力する。

画面4 [セルの書式設定]ダイアログボックスの[OK]ボタンをクリックして閉じると、AMPM付きの時刻が表示される。

●土日祝祭日を除いた営業日数の計算
作業が終了する予定日までの残り日数を知りたいときには、「NETWORKDAYS」関数を用いてみよう。土日を除いた営業日数を簡単に計算できる。さらに、祝祭日や会社の休日を除外した計算も可能だ(画面5~画面7)。
画面5 営業日数の合計を表示するC5セルを選択し、[数式]タブの[関数の挿入]ボタンをクリック。[日付/時刻]関数の、[NETWORKDAYS]を選択して、[OK]ボタンをクリックする。

画面6 開始日、終了日の入ったセルをそれぞれ設定。[祭日]には、祝祭日や会社の休日を記載したセルの範囲を指定する。

画面7 [OK]ボタンをクリックして、[関数の引数]ダイアログボックスを閉じると、営業日数の合計が表示される。

●曜日で異なる時給の計算
給与計算を行う際には、休日出勤手当を考慮する必要がある。休日に、異なる時給が設定されている場合、休日の勤務時間を抜き出す方法を知っておくと便利だ。ここでは、曜日に応じた数値を返す「WEEKDAY」関数と、条件別に異なる計算を行う「IF」関数
を用いて計算している(画面8~画面11)。

「WEEKDAY」関数は、日曜日は「1」、月曜日は「2」……土曜日は「7」のように曜日に応じた数値を返してくれる。
1:日曜日 
2:月曜日 
3:火曜日 
4:水曜日 
5:木曜日 
6:金曜日 
7:土曜日

IF関数の内容は、以下のようになっている。
=IF(論理式,真の場合,偽の場合)
「論理式」の内容が正しければ、「真の場合」異なるなら「偽の場合」の値を表示する。ここでは、「WEEKDAY」関数によって、「日付」の内容が日曜日の場合と、それ以外の場合で条件分けして、計算を行っている。
画面8 休日勤務の時間を表示するE3セルに、以下の数式を挿入する。
=IF(WEEKDAY(B3)=1,C3,0)
B3セルの日付が日曜日の場合、C3セルの数値を表示し、それ以外は「0」とする条件式だ。

画面9 E3セルの右下にマウスポインタを合わせて下方にドラッグし、数式を連続コピーする。日曜日だけ、C列の数値が表示され、それ以外は「0」の表示となる。

画面10 D3セルに、以下の数式を挿入する。
=IF(WEEKDAY(B3)=1,0,C3)
画面7の「真の場合」と「偽の場合」を入れ替えて、日曜日以外の場合にC3セルの数値を表示する。

画面11 D3セルの右下にマウスポインタを合わせて下方にドラッグし、数式を連続コピーする。これで、平日と休日それぞれの勤務時間を計算できた。さらに、それぞれの時給をかけ算すれば、給与を計算できる。

今回の解説では、わかりやすいように表を単純化している。実際には、業務によってさまざまな表が用いられることだろう。日付や時間の計算を行う場合には、ここで紹介した書式設定や数式入力のテクニックを応用して、業務の効率化に役立ててほしい。

編集部:池田利夫+岡本奈知子(ジャムハウス)
制作編集:エヌプラス
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