次世代高速通信で先行するUQコミュニケーションズに対して、NTTドコモとソフトバンクモバイルも参戦している。NTTドコモがLTEという規格で、ソフトバンクモバイルがDC-HSDPAでトップを目指して覇権争いをしているのだ。

ドコモは予定通りのLTEだが、ソフトバンクは少し事情が違う。LTEももちろん推進しているが、まずはHSDPAの電波を2つ使うDC-HSDPAで高速通信サービスを開始する。さらに、支援しているウィルコムのXGPもある。難しい判断が求められる場面が多そうだ。

ソフトバンクモバイルは、複数基地局協調伝送方式向け予備免許を取得した。

複数基地局協調伝送技術は、隣接する基地局が協調して移動局(携帯電話等)と送受信を行うことで、干渉を受けやすいセル間の境界でスループットを向上させる技術だ。「LTE-Advanced」を実現する技術として、3GPPにおいて標準化に向けた検討が行われている。

実証実験では主に基礎技術として、基地局間のデータ伝送を同時送信するための同期精度とセル境界でのスループット改善効果の評価を行う。固定ネットワーク側の伝送経路は、伝送品質が安定しているイントラネットと安価なインターネットを使用する。

本実証実験は、ソフトバンクモバイルが提案し、総務省の「電波資源拡大のための研究開発」プロジェクトで採用された「異なる大きさのセルが混在する環境下における複数基地局間協調制御技術の研究開発」の一環として、共同研究者の電気通信大学と実施する。得たノウハウや測定データは、ワイヤレスブロードバンドにおける通信技術の向上、電波資源の有効利用に活用するとしている。

HSDPAより新しい規格であるLTEは電波の利用効率でも優勢だ。今後4Gも控えているが、主流となるまでにはまだ数年必要となる。それまでLTEが高速通信の主役となりそうだが、ソフトバンクもそのLTEも狙って準備しているのだ。

本実証実験の概要
1. 実験期間:
本免許交付日から2012年12月31日
2. 実験周波数:3.3GHz帯
3. 実験エリア:東京都内
4. 実験用基地局数:2局
5. 実験内容:
(1)複数基地局協調伝送方式の基礎伝送実験
(2)基地局間のデータ同期送信精度の特性評価

ソフトバンクモバイル

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