イー・モバイルのAndroid戦略は、Androidスマートフォン「HTC Aria」だけではなかった。1月中旬に投入するデータ通信端末Pocket WiFiシリーズの第2弾「Pocket WiFi S(S31HW)」もAndroid 2.2搭載端末だった。

価格は1万9,800円(税込み)と、Android端末の中では格安だ。イー・モバイルでは、ユーザーがAndroid端末に求めていることは、ハイエンドモデルであることと分析している。今回の端末は価格が安く機能も必要最低限に抑えられているため、どのように日本で拡販していくかが問題となる。Android端末として販売するには問題がある。そこで、イー・モバイルは、その答えをPocket WiFiに求めた。Androidが持っているテザリング機能を有効活用し、モバイルWi-Fiルーターに仕立て上げたのだ。

そう、日本では封印されていたテザリングがついに解放されることで、Androidの本領が発揮できる端末となる。

背後のiPadが手前のPocket WiFi Sをアクセスポイントとしている。

実は「Pocket WiFi」はイー・モバイルの主力機種となっている。従来の「Pocket WiFi」も併売するため、新機種の投入でPocket WiFiシリーズのラインアップの拡充も果たしている。そう、イー・モバイルが利用者数を伸ばすための手っ取り早い方法は、好調なPocket WiFiの販売をさらに伸ばすこと。今回の端末投入は、その戦略に最適だったのだ。

「ドメインはデーターサービスだと思っているので、その中でどう付加価値を付けていくかを考えたときに、Pocket WiFiにSを付けて付加価値バージョンとした」とイー・モバイル 取締役副社長 阿部基成氏は、SはSimple&Smartの頭文字からとっていることを明らかにした。従来のPocket WiFiユーザーから、WiFiのオン/オフが分かりにくいなどの声から、Simple&Smartのとおり使いやすさにもこだわっている。そのために用意したのが専用ウィジェットで、初心者でも簡単に無線LAN機器を接続できるようにしている。

電気通信事業者協会(TCA)が発表した11月末の純増数では、UQコミュニケーションが6万1900増で、イー・モバイルの5万600増を抜いた。「Pocket WiFi S」の登場で、11月にデータ通信分野でUQコミュニケーションズに奪われた主導権を、再び取り戻す準備が整った。ただし一つ気がかりなことがあるとすれば、完全なSIMフリー端末であることだ。もしかすると、これがイー・モバイルの戦略に大きく影響する可能性が残されている。1月以降の動きに注目していきたい。

●主な機能
1)最大5台までのWi-Fi機器を最大5台まで同時接続
2)重さ約105gと軽量でコンパクト
3)通話やSMS、Webブラウジング、カメラ、GPSなどを搭載
4)Android マーケットが利用可能
5)GmailやYouTube、Google マップなどGoogleのサービスに対応
6)HSPA規格(下り最大7.2Mbps、上り最大5.8Mbps)に対応
7)付属のmicroSDカード(2GB)へアプリケーションを保存可能

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