情報社会といなった現在は、情報収集にインターネットは必要不可欠だ。情報収集の時間と内容がビジネスを左右するよいっても過言ではない。そのためには、より早くネット表示できるブラウザは特に重要なツールでもある。。そうしたユーザーニーズに対応すべく開発されたブラウザが、マイクロソフトの「InternetExplorer 9(以下IE9)」だ。

IE9ではJavaScriptエンジンとDOMの最適化により表示能力を向上させているが、高速化の工夫はそれだけではない。第3回で紹介したように、GPU-Powered HTML5とネットワーク キャッシュの扱いの向上により、大幅な高速化に成功しているのだ。まるでコロンブスの卵のような、これらの機能についてフォーカスしてみよう。

■ビデオとキャッシュの力で高速化
IE9が最速ブラウザになった秘密は、「GPU-Powered HTML5」と呼ばれる新機能を備えたからだ。パソコンの中でも特に高速処理が必要なゲームでは、、グラフィックス処理をプロセッサ(CPU)でなく、グラフィックスカードのハードウェアアクセラレーション(GPU:グラフィックス プロセシング ユニット)を使用するケースが多い。

GPUはグラフィックス処理に特化しているので、高速表示ができるうえに、CPUの負荷も軽くできる恩恵もある。そこでIE9は、そのGPUのパワーを活用できるようになっているのだ。

最近では、ノートパソコンを含めてほぼ100%のPCにGPUが内蔵されているが、このGPUを使ってグラフィックスやテキストの描画やビデオ、オーディオの再生を処理することによって、高速化を図っている。まさにコロンブスの卵と言ってもよいアイデアだ。

このほかにネットワーク キャッシュのアルゴリズムを改善した点も、IE9の高速化に一役買っており、IE8に比べてパフォーマンスを大きく向上させることに成功した。

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■最強ブラウザはどっち? ガチンコ勝負 IE9 vs Chrome
グーグルのブラウザ「Google Chrome」は、速度で評価を得ているブラウザだが、IE9とGoogle Chromeを対決させた場合、どちらが勝つのだろうか。疑問に思っている人もいるのではないだろうか。

マイクロソフトでは、「Internet Explorer Test Drive」という開発者向けサイトを用意しており、ブラウザの処理速度を簡単に測定することができる。そこで、IE9とGoogle Chromeとで、実際にベンチマークをとってみることにした。

●グラフィックス
ポリゴンを表示するデモ。

IE9:GALACTIC SCORE 425.98km/s   43FPS
Chrome:GALACTIC SCORE 92.03km/s  8FPS
(ピクセル:997x661)

●HTML5 数独
数独を解析するデモ。

IE9:5.376s
Chrome:1.185s

●Shakespeareのタグクラウド
タグクラウドを表示するデモ。

IE9:32.8ms
Chrome:34.3ms

●スピード リーディング
テキストを表示するデモ。

IE9:Average Draw Duration 43ms  FPS60
Chrome:Average Draw Duration 6ms  FPS23
(ピクセル:997x661)

テスト環境
CPU:インテル Core 2 Quad Q9550
メモリ:8ギガバイト
ハードディスク:500ギガバイト
グラフィックス:GeForce 9800GTX

「HTML5 数独」では、IE9はGoogle Chromeに及ばなかったが、ほかのベンチマークでは、Google Chromeより高速な結果がでている。特にグラフィックスでは、IE9はGoogle Chromeの約5倍、スピード リーディングでは、約2.6倍という速度をだしており、「GPU-Powered HTML5」の効果が遺憾なく発揮されていることがわかる。

現在のIE9はBeta版で、正式版まで改良されていく途中ながら、現時点において最速ブラウザと言っても過言ではないパフォーマンスを見せている。


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