2010年12月20日、「モバゲーと一騎打ち!グリーのプラットフォーム戦略とは」で紹介したように、グリーがスマートフォン向けソーシャルアプリ開発に参加する開発パートナーを明らかにした。171社もの企業が参加するという。
一方、「モバゲータウン」を運営するDeNAは12月15日、スマートフォン版「モバゲータウン」を提供開始した。
グリーとDeNAは常にモバイルゲームで激しく争い、その戦場はスマートフォンへと移り変わっている。
そこで今回のITフラッシュバックでは、このグリーとDeNAがモバイルゲームを提供するうえで中核をなすオープンプラットフォーム戦略を振り返ってみよう。
一方、「モバゲータウン」を運営するDeNAは12月15日、スマートフォン版「モバゲータウン」を提供開始した。
グリーとDeNAは常にモバイルゲームで激しく争い、その戦場はスマートフォンへと移り変わっている。
そこで今回のITフラッシュバックでは、このグリーとDeNAがモバイルゲームを提供するうえで中核をなすオープンプラットフォーム戦略を振り返ってみよう。
DeNAとグリーが進めているオープンプラットフォームは、開発環境をメーカーに開放しようという戦略だ。このプラットフォームを利用することで、モバイル関連のメーカーは自由にゲームを作ることができる。
■DeNAが先行したオープンプラットフォーム
オープンプラットフォーム戦略を開始したのはDeNAが先で、2009年9月に開発者向けサイトをオープンした。2009年10月5日にはパートナー企業の募集を開始し、2010年1月27日にはオープンゲーム第一弾として40社92作品を公開した。
一方、グリーは、2010年2月22日に、パートナー企業向けにオープンプラットフォーム「GREE Platform」の提供を発表し、6月29日に30社の先行開発パートナーのゲームを公開した。
同時期ではないが、DeNAは、5月末にはパートナー企業を102社、タイトル数を241へ、7月27日にはパートナー企業を154社、タイトル数を350へ順調に拡大し、グリーに対して圧倒的な優位に立ったのだ。
DeNAは2010年第2四半期には約233億円の売上高のうち、約187億円がゲーム関連で占めるほど(前年同期は約50億円のうちゲームが約4億円)ゲームが完全な屋台骨となったからこそ、グリーに負けられない事業となったのだ。それだけにグリーのオープンプラットフォーム戦略には危機感を持ったに違いない。
■提携で広がるモバゲー
DeNAがとった戦略は、Yahoo!との提携だ。4月27日に提携し、10月7日に100タイトルのゲームを引っさげて「Yahoo!モバゲー」を正式オープンすることでグリーを突き放しにかかった。
この動きに脅威を思ったのか、グリーは8月24日に「GREE Platform」をすべてのデベロッパーに開放した。簡単な申請手続きだけで開発会社が参入できるようにした。そして、12月17日にスマートフォン向け「GREE Platform」でのアプリ提供につながっていく。
DeNAも12月15日に発表したスマートフォン向け「モバゲータウン」の展開を開始したのだ。
■熾烈な戦いへ
実は、両者がスマートフォンでの展開を発表する前に事件が起こった。
12月8日、DeNAが独占禁止法違反(不公正な取引方法等)の疑いがあるとして公正取引委員会による立ち入り調査を受けたのだ。どうやらモバゲーのゲーム開発会社に、ほかにゲームを提供しないようにと圧力をかけていた疑いがあるらしい。
モバゲーは会員数が2010年9月に2167万人にまで膨らみ、アイテム課金も順調に拡大している。グリーは会員数が2010年9月に2246万人に達し、ゲームタイトル数も伸ばしてきた。両者とも同じように、コミュニティーとゲームとを融合させる戦略で業績を伸ばしてきた。だからこそ、このような疑いが出てくるほど、競走は熾烈を極めている。
拡大するスマートフォン市場にどう対応するか。すでにDeNA、グリーとも、その戦いが始まっている。
■DeNA
■グリー
■ITライフハック
■ITライフハック Twitter
■ITフラッシュバックの記事をもっと見る
・ケータイの戦略を継承!海外スマートフォンが国内で売られる理由
・前代未聞の2画面タッチ!近未来ノートPCでシェア拡大を狙うエイサーの戦略が見えた
・独自路線で勝機が見えた!イーモバのAndroid戦略が明らかに
・緻密で繊細そして大胆に!ウィルコム復活劇が始まる
・シャープ「GALAPAGOS」とソニー「Reader」はどっちが買い?
モバゲータウンがすごい理由 ~オジサンにはわからない、ケータイ・コンテンツ成功の秘けつ~ (マイコミ新書)
著者:石野 純也
毎日コミュニケーションズ(2007-06-19)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
■DeNAが先行したオープンプラットフォーム
オープンプラットフォーム戦略を開始したのはDeNAが先で、2009年9月に開発者向けサイトをオープンした。2009年10月5日にはパートナー企業の募集を開始し、2010年1月27日にはオープンゲーム第一弾として40社92作品を公開した。
一方、グリーは、2010年2月22日に、パートナー企業向けにオープンプラットフォーム「GREE Platform」の提供を発表し、6月29日に30社の先行開発パートナーのゲームを公開した。
同時期ではないが、DeNAは、5月末にはパートナー企業を102社、タイトル数を241へ、7月27日にはパートナー企業を154社、タイトル数を350へ順調に拡大し、グリーに対して圧倒的な優位に立ったのだ。
DeNAは2010年第2四半期には約233億円の売上高のうち、約187億円がゲーム関連で占めるほど(前年同期は約50億円のうちゲームが約4億円)ゲームが完全な屋台骨となったからこそ、グリーに負けられない事業となったのだ。それだけにグリーのオープンプラットフォーム戦略には危機感を持ったに違いない。
■提携で広がるモバゲー
DeNAがとった戦略は、Yahoo!との提携だ。4月27日に提携し、10月7日に100タイトルのゲームを引っさげて「Yahoo!モバゲー」を正式オープンすることでグリーを突き放しにかかった。
この動きに脅威を思ったのか、グリーは8月24日に「GREE Platform」をすべてのデベロッパーに開放した。簡単な申請手続きだけで開発会社が参入できるようにした。そして、12月17日にスマートフォン向け「GREE Platform」でのアプリ提供につながっていく。
DeNAも12月15日に発表したスマートフォン向け「モバゲータウン」の展開を開始したのだ。
■熾烈な戦いへ
実は、両者がスマートフォンでの展開を発表する前に事件が起こった。
12月8日、DeNAが独占禁止法違反(不公正な取引方法等)の疑いがあるとして公正取引委員会による立ち入り調査を受けたのだ。どうやらモバゲーのゲーム開発会社に、ほかにゲームを提供しないようにと圧力をかけていた疑いがあるらしい。
モバゲーは会員数が2010年9月に2167万人にまで膨らみ、アイテム課金も順調に拡大している。グリーは会員数が2010年9月に2246万人に達し、ゲームタイトル数も伸ばしてきた。両者とも同じように、コミュニティーとゲームとを融合させる戦略で業績を伸ばしてきた。だからこそ、このような疑いが出てくるほど、競走は熾烈を極めている。
拡大するスマートフォン市場にどう対応するか。すでにDeNA、グリーとも、その戦いが始まっている。
■DeNA
■グリー
■ITライフハック
■ITライフハック Twitter
■ITフラッシュバックの記事をもっと見る
・ケータイの戦略を継承!海外スマートフォンが国内で売られる理由
・前代未聞の2画面タッチ!近未来ノートPCでシェア拡大を狙うエイサーの戦略が見えた
・独自路線で勝機が見えた!イーモバのAndroid戦略が明らかに
・緻密で繊細そして大胆に!ウィルコム復活劇が始まる
・シャープ「GALAPAGOS」とソニー「Reader」はどっちが買い?
モバゲータウンがすごい理由 ~オジサンにはわからない、ケータイ・コンテンツ成功の秘けつ~ (マイコミ新書)
著者:石野 純也
毎日コミュニケーションズ(2007-06-19)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る