iPhoneとAndroidの戦いが激化する中、iPadが切り開いたスレートPC分野が市場を席巻しそうな勢いだ。
富士通キメラ総研は、ビジネスのグローバル化が進む情報機器12カテゴリー86品目の世界市場を調査し、報告書「情報機器グローバルマーケット 2011(上下巻)」にまとめた。そして、注目市場としてスレートPC、シンクライアントをあげたのだ。

スレートPCとは、キーボードやマウスがなく、板状の本体にタッチパネル式ディスプレイを搭載したエンターテインメント性が高いモバイル端末のことだ。2010年は7700億円を見込んでいるが、2020年には約2.8倍の2兆1500億円市場まで急成長すると、富士通キメラ総研は予想している。
アップル「iPad」の登場とともに2010年に立ちあがった市場だが、iPadの斬新なデザインとインターフェースにより急拡大を果たした。さらに、デル「Streak」、サムソン「Galaxy Tab」などのほか、ヒューレット・パッカードやエイサーなどからも発売されるとみられ、2011年以降も急成長するとしているのだ。スマートフォンは、2020年には2009年比約2.3倍に拡大するとしているため、スレートPCはそれ以上の成長率となる。

このほか、富士通キメラ総研が注目しているのはシンクライアント市場だ。シンクライアントとは、ハードディスクなどの記憶装置は、OSなどを格納する必要最低限のものしか搭載していないマシンのことだ。日本では、ビジネスPCのリプレイスタイミングにあわせて企業で大規模な導入が進んでいる。海外では、欧州、北米などのボリュームが大きいが、市場の伸びでは中国、インドネシアが大きい。2020年には6300億円市場にまで拡大し、2009年比350%となる見込みだ。

2010年は、アーリーアダプター層を中心にスレートPCは需要を急速に拡大した。今年は、カメラを搭載すると予想されている「iPad2」、さまざまな先進機能が追加されるスレートマシン用の「Android 3.0」の登場で、市場が活気づきそうだ。

富士キメラ総研

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