モバイル端末を使ったデータ通信では3.9GやLTEが開始され、各社がユーザー獲得にしのぎを削っている。
KDDI(au)「WIN HIGH SPEED」、NTTドコモ「Xi」、イー・モバイル「EMOBILE G4」が相次いで開始され、ソフトバンクモバイル「ULTRA SPEED」も開始が待たれている。
エムレポートの「事業者各社の投資動向と展望-2010年度上期-」から、各社の通信インフラの状況が見えてくる。
2010年度上期における設備投資額は前年同期比2.5%減となる5763億円にとどまっている。これは、au、ソフトバンク、イー・モバイルで主流となっている通信サービスHSPAが3Gサービスの延長線上にあるため、一様に大幅な投資額の増加はないからだろう。

一方、NTTドコモは当初、2014年度までの5年間で3400億円の計画を、2012年度年度までに約3,000億円投下する前倒しを実施した。

さらに、研究開発費も高く、エムレポートでは、2010年度に競争力の高い新たなサービスの構築と、高品質や価格競争力、信頼性を強化して市場競争力を拡充するための基盤技術の開発に取り組んでいるためとしている。

ドコモは次世代の高速通信LTEサービス「Xi]で先行している。LTEは3Gサービス施設の改修にとどまらない設備投資が必要となるからだろう。

2010年度通期の設備投資額は前年同期比6.8%増となる1兆3898億円になる見込みだ。この中でもソフトバンクモバイルの勢いが目立ち、ウィルコムへの投資や、これから開始する「ULTRA SPEED」への投資に加え、従来から弱いとされていた通信網の強化が必須なためだろう。

国内最大手のNTTドコモは事業規模も大きく、国内の携帯電話市場を牽引してきた自負もあり、インフラ投資には他の追随を許さない規模を誇る。一方、KDDI(au)は新800MHz帯向け投資が山場に差しかかり、投資額も拡大している。


各社状況は異なるが、巨額な設備投資を行うことで競争力を維持しているのだ。これが、ユーザーベネフィットにつながっているのだ。

エムレポート

ITライフハック
ITライフハック Twitter

■市場調査関連の記事をもっと見る
テレビの3D元年はいつ? 3Dテレビの出荷状況が明らかに
国内出荷実績から大予想!パソコン市場の次の主役が見えた
スマートフォンの次はスレートPCが世界を席巻!2020年までに約2.8倍に拡大
クラウドが救世主となるか!モバイルが固定系の通信を圧迫

最新携帯電話業界の動向とカラクリがよーくわかる本 (How‐nual Industry Trend Guide Book)最新携帯電話業界の動向とカラクリがよーくわかる本 (How‐nual Industry Trend Guide Book)
著者:木暮 祐一
秀和システム(2010-03)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る