日本ヒューレット・パッカードや米NVIDIA、マイクロソフトなどと世界トップクラスのスーパーコンピューター「TSUBAME2.0」を開発したり、いち早くフェムトセルに取り組んだりと、先進技術を開発し続けてきたNECが、新しい技術に取り組み始めた。
NECは、インターネット上の情報を分析・整理し、ある意見について、その判断の裏付けや参考となるような情報を複数の観点から表示することで、情報信頼性の判断を支援する技術を、東北大学、奈良先端科学技術大学院大学、横浜国立大学は、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)情報信頼性プロジェクトとともに開発した。

ユーザーが意見を入力すると、ネット上の大量のテキスト情報を分析・整理し、その信頼性や有用性判断の裏付けとなるよう、賛否やその根拠となる意見、意見の対立点の解説、人々の意見に影響を与えた出来事を提示してくれる。一つの意見に偏らない広い観点から情報を得ることができるため、その意見の信頼性判断に役立つのだ。

ポイントは、意見の論理的な裏付けを分析・可視化する「言論マップ化技術」、重要な意見間の対立点の読み解き方を解説する「整理・要約技術」、意見の変化の傾向や変化の要因を分析する「時系列分析技術」の3つだ。

東北大、奈良先端大が研究・開発した「言論マップ化技術」では、入力した気になる意見に関して、WEB上の他の人々の賛否、根拠を論じた意見など、論理的に関係のある情報を1億以上のWEBページから分析する。そして、関係を「言論マップ」として可視化するのだ。これにより、論理的な観点から気になる意見の裏付けとなる情報を見つけられる。

横浜国大の「整理・要約技術」では、1億以上のWEBページから重要な意見を抽出して、言論マップ化技術と組み合わせて、重要な意見間の対立点をどのように理解したら良いか整理してくれる。

NECの「時系列分析技術」は、他の人々の意見の変化を時系列に分析し、意見の変遷と意見が変わった要因を提示してくれる。この「言論マップ」「整理・要約技術」「時系列分析技術」を組み合わせることで、ある意見に対する信頼性を判断できるようになるのだ。

インターネット上ではウワサをはじめ、偏った意見や誤った情報も多い。専門的な知識がないと判断できない情報でも、このシステムを使えば、どのくらい信頼性が高いか、価値があるかを判断することに役立つのだ。
検索結果や商品の体験談などの気になる意見に対して、ほかの人の賛成、反対、部分的に反対といった意見がひと目で分かるほか、時間が経つにつれてどのように変化していったかが分かるため、企業でのマーケティングや情報提供サービスに応用することが期待されている。

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