レノボとの戦略的提携に基づいた合弁会社を発表したり、インテルのチップセットの不具合で一部製品の発売を延期したNECだが、2011年春モデルとして7タイプ51モデルはこだわりにはあふれているラインアップとなっている。その一方で、どうしてこのようなラインアップとなったのだろうか。

ITの最新ニュースを振り返るITフラッシュバックでは、NECのパソコン戦略をピックアップしてみよう。



「NECは、デスクトップPCから始まって、ノートPCへとパソコンを拡大してきました。一家に1台から個人に1台という時代になって、売れ筋もデスクトップPCからノートPCに移ってきました。しかし、いままでのノートPCは、どうしてもデスクトップPCにかなわない部分があったのです。それをどうするか。そこで、春商戦の上位モデル、高付加価値モデルとして投入する『LaVie L』は、デスクトップPCでできたことをノートPCにも入れようと開発したのです。コストパフォーマンスも重要で、ブルーレイのドライブも、今回のタイミングで薄型のものがノートPCにも入れられる価格で提供されるようになったので搭載できました」とNECパーソナルプロダクツ PC事業本部 商品企画開発本部長代理 栗山浩一氏は説明した。

パソコンの開発は「画面サイズでわけています」と栗山氏が語るように、実はNECではパソコンを置ける場所があるかどうか、大きなスペースが取れるかどうかで、パソコンのラインアップ戦略を進めている。デスクトップPCではこのようなラインアップ、ノートPCではこのラインアップという考えはないのだ。
もちろん、販売店の戦略もあるのだが、NECとしては、広いスペースがあるなら23インチのディスプレイを持つ「VALUESTAR W」など、デスクトップPCを置けるスペースが取れない人や場所を移動させて使うなら「LaVie L」などをすすめたいと考えているのだ。

これは、サウンド、3D、ブルーレイ、地上デジタルと、今やノートPCとデスクトップPCの機能差はなくなってきたからできる戦略なのだ。NECでは、ディスプレイのサイズを23インチから10.1インチまで並べて、このサイズはデスクトップPCで作った方がいいとか、ノートPCで作った方がいいという、切り口で開発しているからこそ、このような春モデルのラインアップとなっているのだ。

ノートの機能強化が中心となったNECの発表会だったが、このようにデスクトップと同等の機能・性能となったことを説明して発表会だったのだ。ノートPCとデスクトップPCの垣根を取り払い、大きなサイズから小さなサイズまでをひとつのラインアップとして考えるNECの戦略が、ユーザーを取り込むことができるのか。今回の発表会では登場しなかった17インチ程度のサイズでどのようなパソコンを提供するのか。レノボとの戦略的提携も含め、これからもNECから目が離せない。

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