第2世代Core iプロセッサー(Sandy Bridge)が登場した。各社は同プロセッサーを搭載したパソコンの出荷を開始したが、チップセットのリコールにより、その対応に追われることになった。

今回のITフラッシュバックでは、IT業界に大きな影響を残したチップセットリコール問題を振り返ろう。

■設計上の問題が見つかった新チップセット
インテル 6シリーズ(開発コード名:Cougar Point)は、第2世代Core i7、i5プロセッサーのクアッドコアを搭載した製品のチップセットとして使われている。このインテル 6シリーズチップセットで設計上の問題が見つかったのだ。

インテルでは、すでにこの問題を特定し、解決策を講じているとしている。対策済みの新しいチップセットは2月後半より出荷を開始し、4月までに通常の出荷体制に回復する見込みだ。

影響が見込まれるパソコンについては、影響が限定的とのことで、メーカーの対応策が公表されるまで利用してほしいとしている。

ここでは、各パソコンメーカーは、どのような対策をしているのかをまとめてみた。

●Let'snoteを発表したばかりの「パナソニック」は?
発売前のため、特に対応策は発表されていない様子だ。個人向けで対象となるパソコンは、第2世代Core i5を搭載した一部の「CF-B10」「CF-S10」「CF-N10」だと考えられる。

「CF-B10」は3月11日に、「CF-S10」「CF-N10」は2月20日に発売する予定だ。もし2月20日の発売に影響があるようなら、何か発表があるかもしれない。

●一部パソコンが発売日未定となった「NEC」
ちょうどインテルの発表と同日にパソコンの発表会を開催したNECだが、すでにインテルとの話し合いは進んでいるとのこと。影響のあるノートPC「LaVie L」の一部で発売日未定となっているが、そのほかのノートPCは2月3日に発売された。

デスクトップPCでは、「VALUESTAR N VN370」のみ2月3日に発売されるが、そのほかはチップセット問題の影響で発売日が未定となっている。

●対応策を検討中の富士通
第2世代Core i7を搭載した大画面ノートPC「LIFEBOOK NH77/CD」が2月下旬、エンタメノートPC「LIFEBOOK AH77/C」が1月20日、エンタメデスクトップ「ESPRIMO FH99/CM・FH98/CM」が2月下旬、スリムタワー「ESPRIMO DH77/C」が1月20日発売となっている。

第2世代Core i5搭載パソコンでは、エンタメノートPC「LIFEBOOK AH55/CM・AH56/C」、大画面モバイルノート「LIFEBOOK SH76/C」が2月下旬、エンタメデスクトップ「ESPRIMO FH76/CD」が2月下旬発売だ。
まだ、発売日は変更になっていない。対応策は検討中とのことで、今後発表される予定だ。

●東芝は対応策を検討中
東芝は影響がある製品として第2世代Core iを搭載した3D対応ノートPC「Dynabook T551」「dynabook Satellite T551」が1月28日から発売されているが、現在は対応策を検討中としている。対応策は別途サイトやメールで案内する予定だ。

●対象パソコンが未発表のソニー
ソニーは第2世代Core iを搭載したパソコンはまだ発表していない。おそらく、対応策ができあがって、ユーザーへ影響がない状態となってから発表すると思われる。

●専用窓口で対応予定の日本ヒューレット・パッカード
影響があるパソコンはデスクトップPCではPavilion Desktop PCの「HPE-580jp」「p6745jp」「s5750jp」、ノートPCではPavilion Notebook PC「dv7-5000」「dv6-4000 Premium」となっている。

すでに新規受注・製造・出荷を一時停止しているとのこと。すでに使用中のユーザーには2月8日から専用窓口で対応する予定だ。
販売再開はメドがついた時点で改めて案内するとしている。

●2月2日から販売を見合わせているデル
第2世代Core iを搭載した「Alienware M17x」「Alienware Aurora」「XPS 8300」「Vostro 460」を1月11日に発売している。しかし、2月2日からは販売を見合わせているとのこと。対応策が決まり次第案内する予定だ。

●ノートPCが発売停止中の日本エイサー
デスクトップPC「AG3600-F74F/G」「AM3920-F74F」「AX3960-F54D」、ノートPC「AS5750G-F74E/K」「AS7750G-F78H/LK」が影響を受けている。デスクトップPCの発売は延期された。ノートPCは発売済みだったが、販売を停止した。対応策は調整中とのことだ。詳細が決まり次第サポートページで報告する。

●対応を検討中のオンキヨー
2月上旬から発売予定だった「S721A9B/23W3」「S721A7B/23W3」に影響が出ている模様だ。対策についてはインテルと協議中とのこと。詳細が分かり次第、サイトで案内する予定となっている。

●販売を一時見合わせているエプソンダイレクト
「Endeavor MR6900シリーズ」が該当製品となる。2月1日に販売を見合わせることとなった。対応方法についてはインテルと協議中で、対応策が決まり次第、改めて案内するとしている。

●マザーボードの回収修理するマウスコンピューター
インテルとの協議の結果、対策済みのマザーボードは3~4月以降になる見込みで、マザーボードが供給され次第、回収修理作業の受け付けを開始するとしている。受け付け開始時期、申込み方法は準備が整い次第、サイトで案内する。

マザーボードの修理には時間がかかりそうなため、一次案として光学ドライブのSATAポート接続変更をFAQページで案内している。修理までの応急処置として利用できる。

対応策が進みつつあるインテルのチップセット不具合問題だが、影響は最小限度にとどめられそうな勢いで作業が進んできている。メーカーから発表される内容に注意した方がよさそうだ。

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