-ブログメディアそしてソーシャルへ TechWave湯川鶴章×Market Hack広瀬隆雄 Part-1-

ライブドアのブログメディア「TechWave」と「Market Hack」の名物編集長二人の、2011年1月某日、Skypeを使ったネット対談が実現した。

インターネット黎明期から活動を続けいる二人が、ブログメディアに参加した経緯からソーシャル時代を迎えたネットの今を、歯に衣を着せず語り合った。

広瀬:いつも読ませていただいております。
湯川:金融の話はまったくわからないので、僕のほうは時々しか読んでいませんが…ごめんなさい(笑)。

■アメリカでのインターネット黎明期の同期な二人
湯川:カリフォルニア州マリン郡は、ずっとですか?
広瀬:1988年から1995年まではニューヨークです。
ネットスケープが95年に上場したとき、サンフランシスコにいかないかんと思って一家あげて西海岸に移りました。

湯川:インターネットのブームが一気にきてたときですよね。商業利用は94年、95年から始まりましたよね。えっとネットスケープ、モザイクコミュニケーションといってたときに一度取材しにいったことがあって、名刺もらったらまだモザイクって書かれていました。

広瀬:早いですね。湯川さんは、.comブームを初めから見られているんですね。

湯川:85年ぐらいから記者活動を初めてますね。そのころはまだMicrosoftとかアップルのUIを盗んだ盗まないという訴訟があって取材してたら、マルチメディアブームとか、アルゴアが「情報スーパーハイウェイ」とか言い出して、シリコンバレーに注目が集まり始めて、それで94年、95年でインターネットの商業利用が一気に広がったんですよね。

もともとそこにいたんで、一番早かったんです。日経がきたのが、96年ぐらいです。

広瀬:覚えています。支局の方が僕のところへも挨拶に来られました。

湯川:もちろん、仲良くなって、いまTechWaveに書いてくださっている影木さんが日経のシリコンバレー記者だったんですよね。彼女ともずっとおつきあいさせていただいてます。

広瀬:けっこうだぶっているんだ。

広瀬:アルタビスタとか、エキサイトとか、インクトミとかブラウザ戦争があったときですよね。

湯川:懐かしいですよ。そういうの全部取材に行きました。


■世界にビジネスチャンスを広げていくためのコミュニティ作りとは
湯川:今年のTechWaveの目標は、米国ツアーを成功させるということなんですけど、長期的にはシリコンバレーとの絆を深めることで日本ベンチャーをそこへ連れて行くのが目標です。

広瀬:なるほど。それは面白いかもしれませんね。株の世界で邱永漢さんという方がいらっしゃるのですけど、邱さんが同様なツアーをやるんですよ。一年間に3,4回ぐらい中国とかに行くんですよ。

ずっとツアーをやって熱心なファンな方を作っていく、草の根マーケティングみたいなことをやられています。いろいろ会社回りをして読者の方と企業を見てそれで投資をする。王道というか、正しいやり方をずっと継続されてやられていますよね。


湯川:今、TechWave塾という少人数の勉強会をやっているのですが、TechWave塾に参加する人はTechWaveが主催するほかのイベントにもだいたい参加してくれるんですよ。

ソーシャルアプリ部という開発者向けコミュニティもやっているのですが、そこにも参加してくれるし、開発者向けコミュニティに参加してくださった方がTechWave塾にも参加してくれる。そうした方がまたツアーにも参加したいと言ってくださってるんです。

ブログメディアだけだと読者の間に距離があるんだけど、イベントを絡めると読者との距離が縮まってコミュニティを形成できるんだなぁって。それが最近の気づきです。

そうしたイベントを繰り返すことでTechWaveのサポーターがどんどん増えてきているんです。いい方向に動き始めたなと思っています。

やはりメディアはコミュニティであるべきだし、そのためには、もっとイベント的なものをやっていきたいと思っているです。


■個人ブランド確立は、自分の世界にピュアでいること
広瀬:湯川さんが言われていることはTechWaveブランド、湯川ブランドというか、個人ブランドの世界だと僕は思うですよね。

この対談を読んでくれる読者の方のなかにはブログメディアをやりたいという方もいるかもしれないんですけど、そういうビジネスをやりたいと思っている方が心がけなければいけないことは個人ブランドをどう育んでいくかにつきると思うですよね。

個人ブランドとはなんやと言われたら、僕流に言えばインフルエンサー、つまり影響力を持っている人ということだと思うのです。

じゃあ、どうすればインフルエンサーになれるんだと。
自分の経験からしか言えないのですけど、僕自身の世界を作るということだと思うです。

箱庭のような自分の世界。TechWaveならTechWaveという世界。MarketHackならMarket Hackという世界。それをどういう風にきっちり確立するかと思うです。

湯川:具体的に自分の箱庭をつくるということはどういうことなんですか。

広瀬:結局好きなことをやるということではないでしょうか。
僕の好きな世界はこういう世界だよというのをブログで世間に出す。

そうすると、「いやそれ俺も好きなんだよね。」というゲテモノ好き同志でひっつく、粘着力というか親和力、それをずっと重ねていくことによって力強いコミュニティができると思うのです。

最初の部分で俺の世界、僕はこれやってて楽しいという部分の火が消えちゃうとだめだと思うのです。なぜかというと、その世界は実は楽しくなくて、嫌々やっているがすぐにもう読者にばれちゃうからです。

まず自分がこだわる所、自分が好きな部分に対してピュアじゃないといけないと思うですよ。

【対談 TechWave湯川×Market Hack広瀬】
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