NTTドコモが2011年春モデルとしてスマートフォン3機種を発表した。3月以降、順次発売するという。アップルが3月2日にイベントを開催することが分かっている。しかもここで、次期iPadが発表されるのではないかと噂されているのだ。もしかすると、ドコモはこの発表を見越して、先行してスマートフォンを発表したのかもしれない。

そこで、最新ITニュースを振り返るITフラッシュバックでは、このドコモの新スマートフォン「MEDIAS N-04C」「Xperia arc SO-01C」「Optimus Pad L-06C」の3機種を取り上げよう。



■販売不調との声も聞こえてきたGALAXY Tab
予定通りなのか、想定外なのかはわからないが、最近どうも「GALAXY Tab」の売れ行きが鈍ってきているらしい。Googleはタブレットに最適なOS「Android 3.0」を発表しているし、アップルが次期iPadを発表するとの声も聞こえてくる。さらにソフトバンクモバイルがAndroidタブレット「DELL Streak 001DL」を投入するなど、「GALAXY Tab」の影が薄くなる一方だ。タブレット「iPad」を追い詰めるには、新機種の投入が必要となっていた。
「GALAXY Tab」は7インチサイズで、iPadの対抗機種としてはターゲットが異なる。そこで、8.9インチサイズのAndroidタブレット「Optimus Pad L-06C」の投入となったことが推測される。発表会ではスマートフォンというカテゴリーのひとつとして紹介されたが、音声通話機能はついていない。「モバイルシアターのように、いつでもどこでも、美しく臨場感にあふれる映像や音楽が楽しめるエンターテインメントタブレットです」(山田社長)のように、音声通話を重要視している端末ではないからだ。

■女性を取り込むことがポイント
発表会でNTTドコモ 山田隆持社長は「世界最薄の7.7mm、重さも105グラム。圧倒的に薄く、丈夫で、女性の方にも扱いやすいサイズのスマートフォンです」と「MEDIAS N-04C」を紹介した。すでにアーリーアダプターに行きわたり、普及期に入ったAndroidスマートフォンが、次に狙うのは女性だろう。「iPhone」も日本上陸当初は男性ユーザーが圧倒的に多かった。しかし普及期に入ると、女性ユーザーの所有率が上がってきた。そのことを考えれば、女性が使いやすいタイプが必要となっているのだ。
2010年冬モデルとして登場したAndroidスマートフォンは、おサイフケータイや赤外線通信、ワンセグ対応など機能面で強化された。そのために厚くなったのは仕方ないかもしれない。この次に重視しなければいけないのがデザインだ。そこで、「MEDIAS N-04C」の投入となったと思われる。

■XpreiaからArcを投入した意味
一方、Xperiaの後継機種として登場したのが「Xperia arc SO-01C」だ。こちらも薄型で「MEDIAS N-04C」と同様に女性に訴求しやすいデザインとなっている。プレステケータイとの呼び声も高い「Xperia PLAY」もアメリカでは3月以降に発売が予定されている。しかし今回発表したスマートフォンのコンセプトが女性をターゲットにしているのであれば、ラインアップに入れるわけにはいかない。山田社長は、今後さらに「Xperia」のラインアップ拡充を検討していることも明らかにした。
2010年初頭の話題をさらい、「iPhone」追撃の先頭を走った「Xperia」だけに、ドコモの期待も高そうだ。

もちろん「iPhoneをあきらめてはいない」(山田社長)が、いつになったら取り扱えるようになるのかは見えてこない。急速に伸びているスマートフォン市場を、指をくわえて眺めているわけにもいかず、Androidスマートフォンのラインアップを拡充することで攻めていくしかないのだ。今回は女性がターゲットだが、次はどこをターゲットにするのか。ドコモの攻めの姿勢は今後も続きそうだ。

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