人気漫画がネットで見放題」で紹介した、「中国のGoogle」と言われている検索サービス「baidu(バイドゥ)」におけるデジタル海賊版の問題について、新たな展開があった。

バイドゥが提供しているインターネット検索サービスの一つである「Baidu ライブラリ」は、「あなたの作品を世界と共有。」をキャッチフレーズとしたドキュメント共有サービスだが、「Baiduライブラリ」内の「文学・小説・書籍」カテゴリーにおいて、漫画・コミック、小説等の著名な作品を違法に複製したものがアップロードされていた。

このような「デジタル海賊版」の存在に対して、著者・出版社はバイドゥに発見される都度削除を要請してきたが、違法なデータのアップロードは後を絶たず、「いたちごっこ」が続いている状況だ。

日本書籍出版協会と日本雑誌協会、日本電子書籍出版社協会、デジタルコミック協議会の出版4団体はこの問題に関し、バイドゥに重大な責任があると考えている。

バイドゥは、「Baidu ライブラリ」にアップロードされるデータの著作権について、「ユーザーが掲載しようとするドキュメントについて、権利者からの許諾を得ていない場合、または他人の著作権を侵害するドキュメントをアップロードする行為は一切禁止されます。」(「Baidu ライブラリ」利用規約)としており、権利者はバイドゥに対して「権利侵害申告」を行うことにより、データの削除などができるとしている。

この対応は一見妥当なように見えるが、バイドゥは、ライブラリをカテゴリー分けし、利用ポイントを付与するなど積極的に投稿を促す一方、著作権侵害に対する警告は、利用規約に形式的に書かれているだけでより実効性のある警告等は行われていない。

「Baidu ライブラリ」における「デジタル海賊版」問題は昨年より継続的に生じおり、ようやくバイドゥ社による事情説明と対策協議がはじめられたところだが、いまだ抜本的な解決策は講じられていないのだ。

デジタル・ネットワーク技術の進展によって、海賊版の制作・販売が極めて容易になっている現状では、「デジタル海賊版」に利用される恐れがある配信事業者には、その防止策の構築や情報の開示に重大な責任がある。

以上のような事態に鑑み、4団体はバイドゥ社に対し、早急に「デジタル海賊版」に関する情報の開示と防止策の構築に着手することを求めることを明らかにした。

「出版社側の協力が必要であれば、私たち4団体としてサポートを惜しむものではありません。むしろ同じテーブルを囲み、ともにデジタル・ネットワーク時代の新たなルール作りに取り組んでいきたいと考えています。バイドゥ社の責任ある対応を改めて強く要請します。」と、コメントしている。

果たして、「いたちごっこ」に終止符は打たれるだろうか。

「Baidu ライブラリ」

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