春モデルのスマートフォンをKDDIが発表した。
KDDI 代表取締役社長 田中孝司氏は、「auらしさはワクワク感だ」と考えていることを明らかにした。日本人の欲しいスマートフォンとして2010年に「IS03」を発売し、すでに50万台も出荷している。続いて「REGZA Phone IS04」を投入してきた。このほか、禁断のアプリとしてSkypeを投入するなど、auがスマートフォンで巻き返しを図ってきたのだ。
そして今回、日本オリジナルの機能を取り入れたガラパゴススマートフォン(ガラスマ)の次に、ハイエンドユーザーに向けたグローバルフォンを投入することとしたのだ。

ただし、グローバルフォンということで海外メーカーを中心としたラインアップとなっている。グローバルフォンには、アメリカで人気の端末の日本向け「hTc EVO WiMAX ISW11T」、世界最大級の家電ショー“Consumer Electronics Show(CES)”でBest of Showを受賞した「MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M」の2機種が選ばれた。

ここで、国内のスマートフォン2010冬-2011春モデルを見てみよう。
NTTドコモは、スマートフォン「LINX 3D SH-03C」「Optimus chat L-04C」「REGZA Phone T-01C」「MEDIAS N-04C」「Xperia arc SO-01C」、タブレット「GALAXY Tab」「Optimus Pad L-06C」をラインアップしているほか、「GALAXY S」も人気だ。
ソフトバンクモバイルは、スマートフォン「GALAPAGOS SoftBank 003SH」「GALAPAGOS SoftBank 005SH」「hTc Desire HD SoftBank 001HT」SoftBank 004HW」「Libero SoftBank 003Z」、モバイルタブレット「DELL Streak SoftBank 001DL」をそろえた。もちろん、「iPhone 4」「iPad」も強力なソフトバンクモバイルの武器だ。
auを見ると、スマートフォン「IS03」「REGZA Phone IS04」「IS05」「SIRIUS α IS06」「hTc EVO WiMAX ISW11T」、タブレット「MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M」だ。
これを見ると、auがほかのキャリアを上回ったラインアップを提供しているとは言い難い。しかも、NTTドコモのGALAXY、ソフトバンクモバイルのiPhoneのようなキラーマシンもまだだ。XOOMはそうなる可能性があるかも知れないが、実は音声端末でないうえ、auの回線でなくても問題なく使える。現時点では日本語化も完全にはできあがっていない。

スマートフォンで完全に出遅れたauは、特にほかのキャリアを超えるようなラインアップが必須となる。まだ明らかにできないようだが、auの夏モデルでは半数以上はスマートフォンになるようだ。日本国内では、どのメーカーがどのキャリアに端末を提供するかはほぼ決まってきている。しかし、海外メーカーではそんなことはない。hTcは各キャリアに端末を提供している。iPhoneのCDMA2000版も残っているし、iPad2も魅力的だ。ソニー・エリクソンはauでの実績も高い。DELLのように、スマートフォンに興味がある海外のパソコンメーカーも多い。海外メーカーからの調達がひとつのカギとなりそうだ。

サービスもほかのキャリアがまだ手を付けていない分野を切り開いていかないと、auの巻き返しは難しいだろう。Skypeで先手を打ったauの次の一手が必要なのだ。KDDIは春モデルを発表した次の日に法人向けに最適なセキュアプラットフォームを発表している。オープンソースのAndroidで法人ニーズに応えるにはセキュリティは必須となる。これもauの武器にしたいのだろう。

ワクワク感を見せて、スマートフォンで巻き返すためには、いままでになかったau独自の施策を次々に投入していくことが重要だ。auにそれができるか。これからに期待したい。

KDDI

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