メモリモジュールは、パソコンを構成するパーツの中でも重要なパーツだ。どんなに高性能なパソコンでも、メモリがなければ、起動すらできない。画像処理ソフトやビジネスソフトを起動すると動作が遅くなるパソコンでは、メモリを増設することで、動作性能を大幅に向上できる。

家電量販店やパソコンショップで、「同じメモリなのに、なぜ、こんなに色々な価格のメモリがあるのだろう」と疑問に思った人もいるだろう。そこでこの疑問を解消するため、今回は、メモリ増設でパソコンが高速化される理由と、キングストン「HyperXメモリ」を例に高価なメモリにはどんな秘密があるのかをさぐってみよう。

■メモリ増設でパソコンを高速化
パソコンは、CPUで処理した一時ファイルをメモリに保存する。メモリが一杯になると、一時ファイルはハードディスクに保存される。

ハードディスクはメモリに比べてアクセスが遅い。そのため、メモリ容量が足りなくなると、画像やビジネスソフトの処理速度が遅くなってしまい、ユーザーはパソコンがもたついているように感じてしまう。この現象は、ほとんどの場合、メモリを増やすことで解消される。


■ブランドメモリとノンブランドメモリ(バルク)の違い
メモリは、ブランドメモリとノンブランドメモリ(バルク)の2種類に大別することができる。どちらのメモリも見ためはほぼ同じだが、バルクメモリは価格があきらかに安い。だが、中身がまったく違う点に注意したい。

ブランドメモリは、信頼性を重視した製品だ。信頼性の高い安定した部品を使用している。1枚1枚厳格に検査しており、動作確認が済んで初めて出荷されるのだ。
部品にはブランドメモリはメーカー保証がしっかりしており、キングストンの場合には、永久保証と無料のテクニカルサポートがついている。

一方、ノンブランドメモリは、価格は安いが、ブランドメーカーほどの信頼性がない。時には検査落ち品がまぎれていることもあり、多くのノンブランドメモリにはメーカー保証もなかったりする。

高価なメモリには、それなりの理由があるわけだ。ではキングストンのメモリを見ていこう。


■同じメモリでも全く別物!キングストンの「HyperXメモリ」
HyperXメモリといえばパワーユーザーならOCメモリを思い浮かべるだろうが、実は、それ以上であった。キングストンでは、ユーザーの利用目的に合わせた様々なHyperXメモリを提供しており、大きく分けると次の5種類に分類されている。

●ゲーマーやパワーユーザー向けのメモリ「HyperX Genesis」
ゲーマーやパワーユーザー向けとして開発されたメモリが「HyperX Genesis」だ。このシリーズがHyperXシリーズのオリジナルだ。最近ヒートスプレッダを一新し、HyperXの伝統的な青色をベースカラーに、シンクの上部に無数の穴を配置した。

Intel P67プラットフォーム向けに特別設計されており、1333MHzから2133MHzまでの周波数でシングル、デュアルチャンネルキット、トリプルチャンネルキットまで、様々なユーザーニーズに対応するラインナップとなっている。
ゲーマーやパワーユーザー向けのメモリ「HyperX Genesis」

さらに、Intel P67プラットフォーム向けに特別設計されたスペシャルモデル「HyperX Genesis Special edition Grey」も年初に発売されている。高性能なデュアルチャンネルキットで、既存のIntel P55ベースシステムおよび、Intel P67 Sandy Bridgeプラットフォームに対応した最新のマザーボード向けに完全対応している。
Intel P67プラットフォーム特別仕様「HyperX Genesis Special Edition Grey」

●エントリーユーザー向けのメモリ「HyperX blu」
「HyperX blu」は、ゲーム初心者やPCファンのために開発された新シリーズだ。低価格でありながら流線型の新しいヒートスプレッダが搭載されている点が大きな魅力となっている。JEDECに準拠した速度とタイミングで動作し、信頼性の高さを誇っている。

動作クロック1600MHzもしくは1333MHz、2GB、4GBのDDR3メモリ、および800MHz DDR2メモリ(1枚もしくは2枚組)で提供される。
ゲーム初心者や PC ファン向けのメモリ「HyperX blu」

●空冷性能を強化!オーバークロッカー向けのメモリ「HyperX T1」
「HyperX T1」は、PCギークやパワーユーザー、オーバークロッカー向けのメモリだ。

爆速化の鍵はメモリにあり!オーバークロックに強いメモリはどこが違うのか」でも紹介したように、最大の特長は独自の熱交換テクノロジー「HyperX Thermal Xchange テクノロジー(HTXテクノロジー)」を採用した新しい大型ヒートスプレッダを備えている。

この大型ヒートスプレッダが、高速動作のためにオーバークロッキングで発生する過剰な熱を発散させるため、オーバークロック時でも安定した動作ができる。
オーバークロッカー向けのメモリ「HyperX T1」

もっとも新しい「HyperX T1 Black」は、黒色のヒートスプレッダを搭載した1600MHz DDR3メモリだ。Intel Core i7-990Xチップセット、およびX58ベースのマザーボードからの性能要求条件を満たすように設計され、3枚組または6枚組のキットで最大24GBまでの容量で利用することができる。
黒色のヒートスプレッダを搭載した「HyperX T1 Black」

●電力消費を低減できるエコメモリ「HyperX LoVo」
電力を節約して過熱を低減したいユーザーのために開発されたのが低電圧メモリ「HyperX LoVo」だ。「HyperX LoVo」は、超低電圧の1.25V電源で1600MHzの動作が可能となっている。また、低電圧メモリは周囲の雑音を低下させる効果もあり、ホームシアター用途にも最適だ。XMP低電圧設定も数回のクリックで可能でとてもお手軽だ。

利用目的に合わせて、1.25V/1600MHz・1.35V/1866MHzデュアルプロファイルキット、1.35V/1600MHz低電圧キット、1.25V/1333MHz超低電圧キットと、3種類の製品ラインナップが用意されている。
電力消費を低減できる低電圧メモリ「HyperX LoVo」

●水冷システム対応メモリ「HyperX H2O」
「HyperX H2O」は、熱心なゲーマーおよびPC愛好家に最適な水冷システム対応メモリだ。システムの静穏動作と長期信頼性を保証し、水冷システムでの動作を指向するパワーユーザーの期待に応えるメモリとなっている。

4GBデュアルチャンネルメモリキット(クロック数:2000MHz、2133MHz)と6GBトリプルチャンネルメモリキット(クロック数:2000MHz)で提供されている。
水冷システム対応メモリ「HyperX H2O」



キングストン「HyperXメモリ」だけでも、様々なユーザーニーズを満たす複数の種類がある。単なるメモリ増設であれば、エントリーユーザー向けのメモリ「HyperX blu」で十分であるし、オーバークロックのようにマニアックな使い方をするなら「HyperX T1」のような高価なメモリを必要とするわけだ。

メモリは、利用目的に合わせて選択しよう。

「HyperXシリーズ」製品情報

キングストン

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