東日本大震災では、東北地方を中心として交通網、通信網、工場などが大きな被害を受けた。福島原子力発電所が津波により打撃を受け、いまだに予断を許さない。さらに、計画停電による経済の停滞や、農作物への風評被害も広がっている。

しかし、徐々にではあるが、復興に向けた力強い動きもみられてきた。矢野経済研究所では、この東日本大震災からの経済復興プロセスと、主要産業に与える影響をまとめている。

津波にのみこまれた仙台空港は、震災の5日後となる16日には空輸を開始し、東北自動車道も24日には通行規制が全面解除された。被災企業も2~3週間内には事業を再開するといった、復興へ向けた活動はスタートしているのだ。
今回の調査は、被災地が広範囲なため十分な情報が把握できていないが、現在わかっている情報を元に、阪神淡路大震災の復興プロセスを参考にして、東北地方の経済について検討している。

復興期の経済については、震災が各産業に与えるインパクトが阪神淡路大震災と同様であると仮定すると、復興初年度の建設部門は2010年度比167%、金額ベースで同1兆3370億円増が見込まれる。復興初年度から4年間における被災5県の建設部門の県内総生産の総額は、少なくとも12兆2000億円を越えるとのことだ。ただし、卸・小売業は前年度比86%ともっとも大きな影響が出るため、回復までの期間も長期化するとしている。

この調査結果について、福島第1原発の影響は考慮されていないが、被害が阪神淡路大震災に比べて、広域、甚大、長期化すると予想している。

主要産業を見ると、建設部門を中心に大きな復興関連需要が見込まれるものの、原発問題の長期化も相まって消費マインドの低下、電力供給不足、エネルギーコストの高騰、海外における日本製品に対する過剰反応など、生産、流通、消費、サービスなど広範な産業分野に深く、長期的な影響を及ぼすことが考えられる。

これを機に、産業界の新陳代謝や経済構造の改革が急速に進む可能性もあるとのこと。古い体質や棚上げされてきた課題を清算し、新たなビジョンや戦略を持って復興することで、グローバルで勝ち抜いていける新しい日本が作られるかもしれないとしている。

矢野経済研究所

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