東日本大震災は東北地方に大きな爪痕を残した。この震災でIT産業もダメージを受けた。
IDC Japanは、東日本大震災での国内IT関連事業所への影響と復旧見通し、2011年の生産インパクトを発表した。

半導体産業では世界シェア55%を占めるウェハーファウンドリー3拠点が停止した。エルピーダメモリは7月末までのウェハー提供については供給を確保したと発表しているが、震災による供給不足が、2011年の世界のウェハー生産高の10%に影響を与えると予測される。

自動車向けのSoC(System-On-a-Chip)では、世界シェアの75%を持つ事業所が被災した。復旧を目指し、自動車業界から150人以上の応援を受けているが、生産再開は7月以降となる見通しなのだ。そのため、5月下旬以降6月末までは供給に見通しが立っておらず、多くの自動車メーカーでの一時的な操業停止が避けられない。このため、2011年の自動車向けのSoC生産高は14%の減少が見込まれているほど。一方で、この事業所で製造していた携帯電話用の製品の一部はすでに台湾のTSMCへの製造委託を始めており、影響は軽微となる見込みだ。

半導体ウェハーは、海外製造者の増産により業界全体への影響は抑えられそうだが、これにともない国内製造者の地位は低下していくことになりそうだ。早期の復旧が重要となっている。

IDC Japan

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