ビジネスの現場で、名刺交換は欠かせない。研修を終えた新社会人も、これから名刺交換する機会がどんどん増えてくる。人と会うたびに名刺の数は増えるが、ついつい整理が後回しになってしまうという方も多いのでは?

 肝心なときに相手の連絡先が出てこなくては、社会人として失格だ。名刺の情報はデータ化しておくと便利だが、いちいち入力するのは面倒という人は、iPhoneのカメラで取り込める名刺管理アプリを利用してはいかがだろう?

今回は、実際どれくらい使えるのかを検証するため、文字の認識率などを調査してみた。

■知っ得 No.0186 iPhoneアプリ「WorldCard Mobile」で名刺を楽々管理する
iPhoneには名刺管理アプリがいくつかあり、名刺をiPhoneのカメラで撮るだけで、文字データを抽出してデータベースを作ることができる。とはいえ、アプリとして高額なものもあるので、購入する前に、実際にどれくらい使えるものか知りたいというユーザーも多いだろう。

今回は、名刺管理アプリの中でも人気が高い「WorldCard Mobile」(有料:1,200円)の実力を試してみた。AppStoreのビジネスカテゴリーで有料Appランキング2位(2011年4月11日現在)になっており、認識率の高さが評判のアプリだ。

●98.1%の高い認識率で実力は十分
WorldCard Mobileを使った名刺の取り込みは簡単だ。アプリを起動したら、メニューから[Camera]ボタンを選んで名刺を撮影するだけ。すると、取り込んだ文字がOCR機能で自動的にテキストデータ化される。さらに、会社名、氏名、電話番号、メールアドレスなどの情報も自動で項目別に整理される。

実際に、手元にある20枚の名刺を読み込んでみたところ、以下のようになった。文字の認識率は98.1%という高い結果で、実力は十分と言える。

表1.文字の認識率
読み取り枚数   20枚
読み取り文字数  2,270文字
誤認識の文字数  44文字

氏名や会社名の日本語、電話番号の数字はかなり認識率が高いが、飾りの付いたフォントの場合、数字の「1」が「7」になるなどの誤認識があった。メールアドレスやURLは、名刺の上で文字サイズが小さくなるためか、「i」と「l」、「@」と「e」などの誤認識が目に付く。また、会社名がデザイン化されている場合や、住所と建物名の配置が離れている場合などには、項目が丸ごと抜けてしまう場合があった。

なお、認識率は撮影の方法に大きく左右される。明るい場所で、名刺が水平になる状態で撮影するのがポイントだ。あまりに誤認識が多い場合には、再撮影すると驚くほど改善されることがあるので、試してみよう。なお、文字が縦組となっている名刺は認識できないので、これは残念ながら手入力するしかない。

●撮影から取り込み、データ化の手順は簡単
上の調査結果のように、WorldCard Mobileの認識率は高く、ビジネスでも十分に使える。実際に使ってみたい方に、基本的な操作方法をご紹介しよう。まずは、iPhoneのカメラ機能で、写真を撮影しよう(画面1、画面2)。データの誤認識があったら、その場で修正しておこう(画面5)。読み込んだ情報は、Card Holderで閲覧するほか、iPhoneの住所録としてエクスポートすることが可能だ(画面7、画面8)。
画面1 「WorldCard Mobile」を起動したら、[Camera]ボタンをクリック。

画面2 iPhone付属のカメラで、机の上に置いた名刺を撮影。右のカメラマークをタップする。

画面3 文字が読み取れるようにしっかり写っていることを確認したら、右上の「認識」ボタンをタップする。

画面4 読み取り結果が自動でテキスト化され、表示される。修正が必要な場合、[>]ボタンをタップ。

画面5 直接文字入力して修正したら、[保存]ボタンをタップする。

画面6 入力内容のチェックが終わったら、右上の[エクスポート]ボタンをタップ。メッセージが出たら、[確認]ボタンをタップする。

画面7 トップメニューで[Card Holder]をタップすると、取り込んだ名刺の一覧を確認できる。タップすると詳細のデータが表示される。

画面8 エクスポートしたデータは、そのままiPhoneの住所録になる。メールや電話の連絡先として利用しよう。

「WorldCard Mobile」の利用方法は簡単で、名刺管理が苦手な方にもお勧めだ。基本的には写真撮影さえすればOKで、一からデータ入力する必要はない。誤認識があっても2、3文字程度だし、項目の抜けもそれほど手間無く補完できる。もし、それすら面倒なら、撮影しっぱなしの使い方でもかまわない。元の写真も保存されているので、メールアドレスなどを正確に知りたいときには後から確認できる。これで、机の上に山積みとなっていた名刺ともサヨナラだ。

編集部:池田利夫+岡本奈知子(ジャムハウス)
制作編集:エヌプラス
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