スマートフォンやタブレットなどフルタッチデバイスが増えてきたことで、画面上に表示されるソフトキーボードの利用も定着してきている。簡単なメールの返事やTwitterでのちょっとしたつぶやき程度ならばソフトキーでも十分実用になるものだ。ソフトキーの操作性の改善も進んでおり、触れたキーを大きく拡大表示したり、触れた瞬間にバイブレーションで反応を返すなど、使いやすいソフトウェアキーボードの開発にメーカーも力を入れている。
しかし長文入力となると、やはり物理的なキーボードに勝るものは無いだろう。そのため小型のBluetoothキーボードの需要がスマートフォン人気と共に高まっているようだ。またiPadなどは両開きケースの片面にキーボードを内蔵したものまで登場しているほどで、開けばノートPCのようなスタイルで使うことができる。
外付けキーボードは、中国製の安価なものはキーボード側の出来がイマイチの製品も多いようで、この手の製品はやはり大手メーカーのもののほうが、作りもしっかりしており、評判も高いようだ。Samsung電子は自社のGalaxy Tab用の外付けキーボードも出しており、今後はメーカーが純正品を提供する動きも増えてくるだろう。
その中でもMotorolaの最新スマートフォン、Atrix用の外付けキーボードはかなり変わった製品だ。というのもキーボードだけではなく大型のディスプレイを備えており、外見はノートPCそのものなのである。製品名称も「Lapdock」つまり「ノートPC型ドッキングステーション」。
このLapdockのディスプレイは11.6インチ、1366x768ピクセルとビジネスで利用するノートPCとしても十分なサイズと解像度を備えている。安いネットブックよりも、AtrixとLapdockの組み合わせのほうが場合によっては快適に使うことができるかもしれない。
使い方は簡単で、AtrixをLapdockのディスプレイ背面側のコネクタに横向きに装着するだけでよい。ドライバーなどをインストールする必要も無いのですぐに利用することができる。接続後は一旦Atrixの電源が切れ、再起動すると画面表示はLapdock側に切り替わる。LapdockはブラウザのFirefoxが起動すると共にAtrixの画面をピクチャーインピクチャーで表示することができる。
例えばブラウザベースのアプリケーションなどを利用しつつ、スマートフォン側で入力したデータを閲覧するといった連携ができるわけだ。一般消費者向け製品としては用途やターゲット層が限られそうだが、ビジネス向けには様々な応用が考えられるだろう。
MotorolaはこのAtrixをエンタープライズソリューション向けのベース端末という位置づけにもしており、各種サービスやアプリケーションと共に企業向けに販売している。Atrixは指紋認証センサーを搭載しているが、これはセキュリティーを考えたビジネス向け端末であれば当然なのだろう。
一方、タブレット端末をノートPC型としても利用できるようにした製品がASUSのEee Pad Transformerだ。その名前の通り「変形」するのが特徴であり、専用のキーボードをタブレット本体に装着すると一体化し、ノートPCのようにディスプレイ(タブレット部分)を自由に開閉することができる。
タブレットだけ使いたい時は単独で利用し、キーボード入力が必要なときはしっかりと合体することでノートPCライクに利用できるわけだ。この製品もメインターゲットはビジネス用途だろう。
だが今後スマートフォンやタブレットの普及が広く進めば、これらのキーボード合体型の製品も一般消費者向けの普通の製品となっていくかもしれない。また今はスマートフォン、タブレット、ノートPCとそれぞれ市場がわかれているが、将来はノートPCやネットブックが「スマートフォン+キーボード」、「タブレット+キーボード」、という製品にその座を奪われる可能性もありうるのだ。
スマートフォンOSを搭載した本格的なタブレットは初代iPadが登場してからまだ1年ちょっとしか経っていない。だがタブレットを使い始めたユーザーの多くがPCやTVよりもタブレットを使う時間が増えている、という調査結果が出ている。操作が手軽で簡単なタブレット端末はWEB閲覧などの利用には十分であるし、何と言っても持ち運びが簡単だ。
一方、これまでにもディスプレイを回転させることでタブレット型になるノートPCもあった。だが重量や電池の利用時間、OSの使い勝手を考えると使いやすい製品とは言いにくい。プレゼンテーションを多用するビジネス向けには数が出ていただろうが、一般消費者が気軽に買う製品ではなかったはずだ。
つまり「手軽に使えるタブレット」を目指したタブレットノートPCは一般層に普及しなかったが、その欠点を克服しているスマートフォンOS搭載のタブレットやスマートフォンは、今後普及していけるのは当然のことなのかもしれない。しかもそれらに使い勝手の良い外付けキーボードが装着可能になれば、いずれはノートPCの存在価値をも脅かす存在にもなっていくだろう。
将来、スマートフォンやタブレット売り場には多数の外付けキーボードがオプションとして展示され、一方ノートPC売り場にはごく一部のハイエンド製品だけが売られている、そんな時代がやってくるかもしれない。
AcerやASUSが多数のタブレット製品を今年は市場に投入する予定だが、PCメーカーのこの動きも「ノートPCからタブレット、スマートフォン」への移行が時代の流れになっていることを物語っているのかもしれない。
山根康宏
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その中でもMotorolaの最新スマートフォン、Atrix用の外付けキーボードはかなり変わった製品だ。というのもキーボードだけではなく大型のディスプレイを備えており、外見はノートPCそのものなのである。製品名称も「Lapdock」つまり「ノートPC型ドッキングステーション」。
このLapdockのディスプレイは11.6インチ、1366x768ピクセルとビジネスで利用するノートPCとしても十分なサイズと解像度を備えている。安いネットブックよりも、AtrixとLapdockの組み合わせのほうが場合によっては快適に使うことができるかもしれない。
使い方は簡単で、AtrixをLapdockのディスプレイ背面側のコネクタに横向きに装着するだけでよい。ドライバーなどをインストールする必要も無いのですぐに利用することができる。接続後は一旦Atrixの電源が切れ、再起動すると画面表示はLapdock側に切り替わる。LapdockはブラウザのFirefoxが起動すると共にAtrixの画面をピクチャーインピクチャーで表示することができる。
スマートフォンをノートPC型クレードルにドッキングできるAtrix |
例えばブラウザベースのアプリケーションなどを利用しつつ、スマートフォン側で入力したデータを閲覧するといった連携ができるわけだ。一般消費者向け製品としては用途やターゲット層が限られそうだが、ビジネス向けには様々な応用が考えられるだろう。
MotorolaはこのAtrixをエンタープライズソリューション向けのベース端末という位置づけにもしており、各種サービスやアプリケーションと共に企業向けに販売している。Atrixは指紋認証センサーを搭載しているが、これはセキュリティーを考えたビジネス向け端末であれば当然なのだろう。
一方、タブレット端末をノートPC型としても利用できるようにした製品がASUSのEee Pad Transformerだ。その名前の通り「変形」するのが特徴であり、専用のキーボードをタブレット本体に装着すると一体化し、ノートPCのようにディスプレイ(タブレット部分)を自由に開閉することができる。
タブレットだけ使いたい時は単独で利用し、キーボード入力が必要なときはしっかりと合体することでノートPCライクに利用できるわけだ。この製品もメインターゲットはビジネス用途だろう。
Eee Pad TransformerはタブレットをノートPCスタイルに出来る |
だが今後スマートフォンやタブレットの普及が広く進めば、これらのキーボード合体型の製品も一般消費者向けの普通の製品となっていくかもしれない。また今はスマートフォン、タブレット、ノートPCとそれぞれ市場がわかれているが、将来はノートPCやネットブックが「スマートフォン+キーボード」、「タブレット+キーボード」、という製品にその座を奪われる可能性もありうるのだ。
スマートフォンOSを搭載した本格的なタブレットは初代iPadが登場してからまだ1年ちょっとしか経っていない。だがタブレットを使い始めたユーザーの多くがPCやTVよりもタブレットを使う時間が増えている、という調査結果が出ている。操作が手軽で簡単なタブレット端末はWEB閲覧などの利用には十分であるし、何と言っても持ち運びが簡単だ。
一方、これまでにもディスプレイを回転させることでタブレット型になるノートPCもあった。だが重量や電池の利用時間、OSの使い勝手を考えると使いやすい製品とは言いにくい。プレゼンテーションを多用するビジネス向けには数が出ていただろうが、一般消費者が気軽に買う製品ではなかったはずだ。
つまり「手軽に使えるタブレット」を目指したタブレットノートPCは一般層に普及しなかったが、その欠点を克服しているスマートフォンOS搭載のタブレットやスマートフォンは、今後普及していけるのは当然のことなのかもしれない。しかもそれらに使い勝手の良い外付けキーボードが装着可能になれば、いずれはノートPCの存在価値をも脅かす存在にもなっていくだろう。
将来、スマートフォンやタブレット売り場には多数の外付けキーボードがオプションとして展示され、一方ノートPC売り場にはごく一部のハイエンド製品だけが売られている、そんな時代がやってくるかもしれない。
AcerやASUSが多数のタブレット製品を今年は市場に投入する予定だが、PCメーカーのこの動きも「ノートPCからタブレット、スマートフォン」への移行が時代の流れになっていることを物語っているのかもしれない。
山根康宏
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この予想は大胆だね~もし、未来、キーボード合体型スマートフォンが事実になれば、ノートPCを凌駕することが簡単だね~
すごくいいだね~