Facebookは、日本でも急成長し、社会的な注目を集めているソーシャルメディアで、登録会員の実名性や個人プロフィールなどを開示することが大きな特長となっている。

また、登録会員同士の情報の「共有」「拡散」、「共感」を促進するコミュニケーション機能は、個人の購買行動に大きな影響を与えるため、企業のマーケティング活動において、Facebookなどのソーシャルメディアの活用方法が新たな課題となっている。

そうしたFacebookの現状に対して、新たなマーケティングサービスが誕生した。

電通イーマーケティングワンは、インターロジックス、アーキタイプと共同で、ソーシャルメディアの普及に伴う新たな顧客管理(CRM)策として、Facebook上の人間関係を活用し、多くの企業が関心を寄せている見込み客や既存客を可視化・明確化する手法を開発し、「ソーシャルCRMサービス」として提供を開始する。

「ソーシャルCRMサービス」とは、いったいどういうサービスなのか。

IT企業で働いているマーケティング担当者には、興味深いサービスと言えるので、ここで詳しく解説しよう。

■「新たなCRMの実践」が重要課題に浮上
これまでは、自社サイトでのアクセス数やリピート率をもとに優良顧客かどうかを判断し、優良顧客に対して、重点的にコミュニケーション施策を展開することがCRMの主な流れだった。

それがソーシャルメディアの普及により、今後は上記に加え、ソーシャルメディアにおける影響力を考慮した、新たなCRM施策の実践が重要課題になってきている。

電通イーマーケティングワンによると、これはマーケティングコミュニケーション分野で、「トリプルメディア戦略」に関心が集まっていることも背景にあるそうだ。

■「トリプルメディア戦略」って、なに?
トリプルメディア戦略とは、1. Paid media(買うメディア・広告など)、
2. Owned media(所有するメディア・HPなど自社メディア)、3. Earned media(信頼や評判を得るメディア)の3つのメディアの特性を有効に連動させながら施策の効果を高めるマーケティングコミュニケーションの戦略だ。

ソーシャルメディアはこのうち第3のEarned mediaに属し、この領域がPaid media、Owned mediaと並ぶメディアとして普及・進化してきている。

現状の日本企業におけるトリプルメディア戦略の課題の一つとして、ソーシャルメディアと自社メディアを「如何に有機的に連携させ、最終的に自社メディアの価値を向上させるか」という課題があげられる。

たとえば、ある飲料メーカーのソーシャルメディアを活用したキャンペーンでは、自らの友達に情報を共有/拡散できるソーシャルメディアとしての強みを活かしつつ、プレゼントの応募では自社サイトの会員に登録することによって当選確率があがるような仕組みをとり、自社サイトの会員化を促進している。

■トリプルメディア戦略の鍵となる「ソーシャルCRMサービス」
前述のようなCRMの課題に加え、トリプルメディア戦略は企業のマーケティング活動、そしてCRMにおいて、今後ますます重要な戦略になるとものだろう。

そしてトリプルメディア戦略の鍵となるのは、従来型の自社サイトやマスメディア・webメディアに加え、ソーシャルメディアを有機的に活用することだと推察される。

なぜなら、ソーシャルメディアの活用により、「ファン層の醸成・拡大」「顧客として取り込み」「ロイヤリティ強化」等、様々な効果が期待できるからだ。

「ソーシャルCRMサービス」では、すでに企業内に蓄積されている顧客データに加え、ソーシャルグラフデータを有機的に活用することにより、効率的かつ拡張的なCRM施策を提供してくれるわけだ。



「ソーシャルCRMサービス」は、Facebookの特色のひとつであるソーシャルグラフデータを活用し、企業が持つ顧客データとの照合により、より精度の高い見込み客や既存客を顕在化させるとともに、それらのデータを分析・構造化し、特徴に応じて効果的なCRM施策を実現できるサービスなのだ。

日々ソーシャルメディアの活用に頭を悩ませているマーケティング担当者にとって、見逃せないサービスと言えるだろう。

電通イーマーケティングワン
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