■飲み会で楽しめるアプリがウケる
あなたは飲み会でどんなアプリを使うだろうか。一瞬でできるもの、話題を提供するもの、そして目の前の人にも参加できるものだろう。飲み会での行動観察は受けるアプリを作るためのアイデアの宝庫だ。

そこで、飲み会や合コンで使えそうなiPhoneアプリを紹介していこう。何ができるのか、どこがポイントなのかが分かれば、ウケるアプリを開発するヒントになるぞ。

全力解析てそうちゃん（エンターテインメント）
「手相を撮り、運勢や相性をチェック。飲み会で盛り上がるぞぉ。」
・手相をカメラで撮影するだけで相性が占える手軽さ
・飲み会に使える

Akinator（エンターテインメント）
「やぁ、私はアキネイターだ。君が想像している人物を当ててあげよう！どろろん！」
・15～20個の質問に答えるだけで名前を当ててくる驚き
・TVに出ているような芸能人や有名なアニメキャラクターなら、ほぼ完璧
・かなりマニアックな人物やキャラクターもガツガツ当てる！

HourFace（エンターテインメント）
「撮影した人物の過去と未来の顔を見られるアプリ。飲み会で盛り上がれるぞ！」
・写真を取り込んで10秒待つだけで、過去と未来の顔を見ることができる
・飲み会に使える

SM診断（ライフスタイル）
「ひめまる公式。性格診断＆相性診断もできます！」
・iPhoneをシェイクしてランダム診断
・合コンで使える

!（ゲーム）
「反射神経や勘を競おう！飲み会の席で盛り上がるぞぉ。」
・!マークの表示からタップするまでの時間を競う
・一瞬で終わるわりには盛り上がる
・飲み会に使える


■iPhoneそのものの魅力を伝えるアプリがウケる
iPhoneを持っていない人に、「iPhoneって何がいいの？」と聞かれた時に、あなたはどういうアプリを見せるだろうか？　既存のケータイでできなかったことができる、PCで細かな作業が必要なことが簡単にできるなど、「iPhoneでこんなことができるんだ」というものを取り上げたくなるだろう。

iPhoneはケータイ電話の機能があるため、マイク、スピーカーを内蔵している。操作するためのタッチパネルも持つ。動画や音声、SNSなども利用できるため、このような機能を駆使した下記のアプリもウケる傾向にある。

VoiceTra（旅行）
「海外旅行であなたを救う！！無料の音声翻訳アプリ！」
・iPhoneに向けてしゃべりかけるだけで21言語に翻訳できる
・翻訳文は再生でき、そのまま会話に使える

TouchRetouch（写真）
「こりゃすごい！写真の不要な箇所を削除できるアプリ。」
・写真の不要な箇所をなぞるだけで削除できる

Fit for Rhythm（健康 & フィットネス）
「このアプリが欲しかった！ よろしくフィットネス！」
・どれも分かりやすい解説があり、音やメッセージの表示 Twitter連動などのモチベーション管理も巧妙
・収録プログラムの豊富さ。コツが分かるまでは無料コンテンツで挑戦できる
・有料プログラムの解除をモチベーションに、トレーニングを継続させる仕組み
・加速度計、タッチ、生活と密着、Twitterなど、iPhoneらしさを完璧に取り入れた

TwitCasting Live v2.0（ソーシャルネットワーキング）
「iPhone4、iOS4に完全対応。ライブ配信を楽しもう。」
・手軽に映像と音声のライブ中継ができる
・Twitterにてコメントできるので視聴者との会話が楽しめる

FastFinga（仕事効率化）
「手書きメモに特化したiPhoneアプリ。秀逸なUIでそのままの字が書けます！」
・指で文字を書いたり絵文字と組み合わせたりして、楽しくメモ画像を作れる
・これからは手書きメールの時代だ！というライフスタイル提案。

Smack Talk!（エンターテインメント）
「これぞiPhoneキラーアプリ。面白すぎて悶絶した！全員持ってオウム返し！」
・あなたが話した内容を、かわいい動物がかわいくオウム返ししてくれる
・とにかく見れば、心がわしづかみされるはずだと言い切る

■「たったこれだけするだけでOK」がウケる
消費者はどんな時でも、めんどくさがりだ。あなたの作ったアプリが、「これをするだけでこんなこともできる。」ものであれば、きちんとアピールすべきだろう。

例えば、料金を比較するのもいいだろう。インターネットショッピングでは、様々なサイトを比較・検討して欲しい商品を購入する。でも、いちいちサイトにアクセスして、その商品を見つけ出し、料金を比較していくのはとても大変な作業になる。これが簡単に比較できるだけで、ウケたりするのだ。

ショッピッ + plus（ライフスタイル）
「商品のバーコードを読んで最安値で買える通販サイトを教えてくれる。」
・検索はわずか1ステップ。iPhoneのカメラで商品のバーコードを撮影するだけ
・一度に18の大手通販サイトを横断検索し、すぐに最安値が分かる

DocScanner（仕事効率化）
「iPhoneのカメラで書類をスキャン！カラーもOK！Evernoteとも連携！」
・写真で撮るだけで、書類を簡単にスキャンできる
・名刺をスキャンしたり、取扱説明書をスキャンしたりという利用用途

Baseball Slugger（ゲーム）
「ホームラン競争に特化した野球ゲーム。演出、ゲーム性、ともによし！面白い！」
・球を打つゲーム性やiPhoneの傾きセンサー、タイミングなどが絶妙にいい
・ホームランを連発するとコンボ等でポイントが跳ね上がる、などスコア上の様々な仕組みがいい
・iPhoneならではのベースボールゲームを提案

■簡単動作で習慣になるアプリがウケる
iPhoneユーザーの友達がいたら、ホーム画面1ページ目のアプリ一覧を見せてもらおう。
そうすると、時刻、カレンダ、天気、ニュース、地図、ToDoなどのほかに、各個人で気に入ったアプリが登録されていることだろう。そして、なんでそれをよく使うの？と根掘り葉掘り聞くのだ。

するとそのアプリが、シンプル動作だからこそよく使う、よくあるシーンだからこそ簡単動作の工夫がされている、といった共通点が見えてくるはずだ。
実はそこがポイントなのだ。簡単に操作できるからこそ、必需品になる。アプリ開発の参考になること間違いなしだ。

駅.Locky（ユーティリティ）
「次の電車時刻を即表示！大きくカウントダウンもしてくれる。便利！」
・電車の待ち時間に焦点を当てたカウントタイマー

おはようパンダ （健康＆フィットネス）
「iPhoneで起床時間と就寝時間をワンタップで集計！むくりライフハックばたり。」
・タップのみという超簡単な動作で、あなたのおはようとおやすみを記録してくれる

そら案内（天気）
「起動直後の画面で今日の天気が一目瞭然！」
・アプリ起動後の1画面目ですぐ自分の地域の天気を見られる！
・なんて見やすいんだ！君は私のiPhoneホーム画面の1ページ目に座り続けるだろう！

■スクリーンショットを1枚見て一瞬で分かるアプリがウケる
ひと目見れば、それがどんなアプリかがすぐ分かる。みんなが欲しがるアプリとはそういうものかもしれない。

ただし、機能を前面に出したものとは一味違うものがいい。時計なら、時刻が分かるだけでなく、プラスαのお得感があるもの。しかも、スクリーンショットを見るだけで、そのお得感が分かるものが受けたりするのだ。

奇妙な写真メーカー（写真）
「ゴゴゴゴ　しゃ　写真にッ！あの人気漫画の奇妙な擬音がッ！なアプリ。」
・写真1枚とアプリ名で、どんなアプリか瞬間的に分かる
・人気漫画シリーズの特徴的な擬音描き文字を、写真や画像に貼り付けられるアプリ
・あの漫画が好きな人なら、盛り上がれること必至

Bijin Tokei-美人時計（エンターテインメント）
「美女系アプリの真打ち、美人時計がついにリリース！熱い！」
・アプリ名が全てを伝えており、あえて説明をしない

パズルプリズム（ゲーム）
「テトリスを超えた最高のパズルゲーム。無料版有。殿堂入り。」
・ブロックを下に落として、平面がそろうと、その段が消える。

■これひとつで十分に使える無難なアプリがウケる
何かに特化しているアプリがウケる中で、無難なアプリもウケる。「どうせ役にたつだろうからとりあえず落としておこう。」というお買い得感をライトユーザーに与えるようなアプリのことだ。

iPhoneユーザーは全ての分野にマニアックなわけではない。アプリの機能の手数が多い開発者は「最大公約数」とも言える定番機能をきちんと網羅し、その際はマニアックな機能を外すのだ。ただし、基本的な機能は抑えておく必要があるぞ。

これから紹介するが、例えばソリティアシティデラックスには、定番ゲームの勝ち方が全て集約されている。
数の豊富さと難易度の調節、そして初心者に優しいチュートリアル、定番の中でも「無難」な印象を与える。

多くの人が楽しむからこそランキング表示は必須であり、ユーザーがハマる要素となる。
さらに無料版の位置づけも、有料と内容が住み分けられるようにできており、秀逸なマーケティングと言えるそうだ。

ソリティアシティデラックス（ゲーム）
「最高のカードゲーム集！クオリティ高すぎ！900円の価値あり！」
・15種類ものゲーム。そして各々に3個以上の難易度別バージョン
・ファーストプレイ時には超充実のチュートリアルが再生される
・ゲームごとに様々な個人スコアとランキング
・ライト版はチープな無料版という位置づけではなく、デラックスに同じゲームは入っていない
・両方とも常駐アプリとして末永く愛する

トライポッドカメラ（写真）
「傾き、手ブレ補正、ズーム、Twitter投稿、何でもできちゃうカメラアプリ。」
・普段必要としている機能が全部入ったカメラアプリ
・必要最低限の機能を最大限汲み取っている印象を与える

SharePlayer（ユーティリティ）
「無敵のマルチメディアプレイヤー！すっごいおまけ機能も!?」
・通常再生できないavi・flv・wma・wmvなどが再生できる
・ZIPやRARなどの書庫内のファイルも読み込め、スキャンされた小説やコミックのビューアとしても活用できる
・PDFやExcel、Word、PowerPointのファイルも読み込める
・SharePlayerを持っている友達のiPhoneからファイルをダウンロードできる

Peggle（ゲーム）
「うるわしさ全開のパチンコくずし。知らない方は動画必聴。」
・起動後とクリア時の過剰演出にまずやられる
・毎回毎回戦略性を要求してくるゲームシステム
・ステージ数のボリューム満点

Video Downloader iWoopie（エンターテインメント）
「iPhoneでYouTubeやDailymotionの動画をダウンロード！」
・動画を検索、複数動画ダウンロード可能、動画のダウンロード中に別の動画検索・視聴可能

■神アプリと言われだすとウケる
神アプリとは、普通ではありえない「神業」をやってくれるアプリの総称だ。技術的な卓越さ、とんでもない精度、期待以上の感動、ここまでやるかというおせっかいと様々。とてつもない労力をかけた網羅性も持っているのだ。
だからこそ人の心をつかみ、多くの人から好かれる人気アプリとなる。

Autostitch（写真）
「写真を選ぶだけ！仕上がりは広角レンズ調、「全自動」パノラマ製造アプリ」
・複数の写真を選択するだけでつなぎ合わせたパノラマ写真ができる
・全く関係ない写真もつなぎ合わせちゃう驚き

PushGmail（仕事効率化）
「iPhoneメール革命！PushGmailで全てのメールがプッシュ対応になりました。」
・見に行くまで中身が全く分からないという不便さが完全に解消
・ホーム画面上にポップアップで送信元、タイトル、本文のダイジェストを表示

tumblr gear（ソーシャルネットワーキング）
「全てのiPhone tumblrアプリが過去のものになった!!」
・300件分のpostを事前によんでおく信じられなさ
・ダッシュボードで100件分のpostが一瞬にしてロードされる

Dance Me（写真）
「写真の中のあらゆる人、物を情熱的に躍らせてしまうすごいアプリ！」
・輪郭をなぞってポイントを決めて画面を触るだけで、写真が情熱的に踊る
・数秒指で踊りの動きを反復すると写真が勝手に踊りだす
・動画としてメールでも送れる

PUFF!（エンターテインメント）
「衝撃的な「神パンチラ」動画アプリ。世界丸見え。恥じらいのパンチラをとくと見よ！」
・iパンチラ という名前が似合う
・パンチラ度数が4段階まである
・なんでこんなかわいい子がこんな仕事を・・・よくやった！
・たくさんアプリを作っている会社ですが、これまでで一番いい仕事したよ。お疲れ！

imeem Mobile（ミュージック）
「洋楽を無料で聴き放題の神アプリ。実は坂本龍一や宇多田ヒカルも視聴可！」
・洋楽を中心に音楽が聴き放題のアプリ
・これはダウンロードするしかありません。鉄板です！
・洋楽を聴くならこのアプリがベスト

■「こういう人には必須アプリ」と言われるとウケる
「あなたの目の前にいる人にすすめるアプリ」って何だろうか？　まず、その人のバックグラウンドや趣味や職業を聞いてみるだろう。「こういうことをやっている人」というターゲティング設定に対して、忠実に価値を提供しているアプリはこの称号を得やすいのだ。

ターゲットが明確であればあるほど、必要な機能は見えてくるもの。ここでは、男性、女性、サラリーマンなど、誰に向けて開発していったのかが分かりやすいアプリを紹介しよう。

ePhotoChest（写真）
「お宝写真をパスワードで隠せる、男のロマン無料アプリ。」
・できれば隠しておきたい画像を隠しておける
・iPhoneに求めることは『エロ』をどこにでも持ち歩けること！

今日は何の日（レファレンス）
「全営業系サラリーマンは話のネタに入れとけ！」
・その日に生まれた著名人、亡くなった著名人、その日の出来事や記念日を教えてくれる
・話のトークのネタとして重宝するはず

生理カレンダ（健康＆フィットネス）
「デリケートなところまでカバーしている、女性目線で作られたアプリ。素晴らしい。」
・とにかく開発者の優しさ、気遣いを感じる
・e-mailで出力してお医者さんに見せるのも簡単
・大切な方のiPhone/Touchと簡単に同期できる
・女性の方には必須のアプリ

Puri! Lite（写真）
「写真をかわいくデコレる！女子必須のデコリアプリ！」
・準備された膨大なテンプレートとアイコン
・iPhone女子必須アプリ

こうしてAppBankの紹介を見ると、どんなアプリかを一言で言い切れるアプリが売れているということが分かる。AppBankが簡単に言い切れなかったら売れるわけがない。

もしあなたのアプリが第三者に紹介してもらう時に、あなたが書いたアプリ紹介文をコピペしているようだったら、コンセプト自体が誤っている可能性がある。
その第三者はアプリがよく分からないから紹介文を引用するのであり、よく分かるのであれば、自分なりの切り口で代弁してくれるはずだからだ。

逆にあなたのアプリが売れない理由のが、単にストア紹介文の文章に起因するのであれば、AppBankの記事を読んで、ぐっとくる表現を探し、なぜ、ぐっと来たのか研究すべきだろう。

■AppBankって何？
2008年10月6日に開設された、iPhoneアプリ、iPadアプリをブログ形式で毎日レビューしているサイトだ。
現在は7名のライターで昼夜問わずiPhoneアプリを触っては紹介記事を書いており、オフ会やイベントの時以外は基本的に鎌倉に引きこもってひたすらレビュー三昧な日々を送っている。
2010年の夏からは、テレビ朝日系「お願い!ランキング」やTBS系「革命×テレビ」のiPhoneアプリ紹介コーナーのレギュラーとして、entrypostman（村井智建氏）が出演。

その他、各種メディアや雑誌のiPhoneアプリ特集にも多く監修として関わり、iPhoneアプリの開発者にとってもよりよい市場になることを目指している。

※当コラムは、イーグル 藤永真至著「売れるiPhoneアプリの法則」から、一部抜粋して編集し直したものです。

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