東日本大震災では、全国的に自粛が盛り上がった。しかし、自粛による経済活動の停滞が、被災地の復興につながらないと感じ始めたようで、業種によっては震災前の消費まで戻ってきている分野も出てきた。

クロス・マーケティングの調査によると、飲食関連が震災前まで回復してきた傾向があるとのことだ。

飲食目的の外食頻度では、消費動向DI(diffusion index)が2月の-30.8から4月は-34.7と大幅に落ち込んだものの、5月は-25.8へと回復した。

その中でも食事目的の外食頻度は、2月の-22.5から4月の-21.9と落ち込みが少なかったうえ、5月は-17.4と大きな伸びを見せた。

1年前からの比較でも大きな伸びを見せているため、震災で伸びが停滞したか減少したところが、5月になり再び伸び始めたというところだろう。

それでは、IT関連はどうだろうか。インターネットネットショッピングを見てみよう。

ネットショップは、2月の+20.3から4月には+10.3へと大幅に落ち込んだ。5月は+10.5のため4月と比べてほぼ横ばい傾向と言っていいだろう。

ほかのショッピングに関する消費動向DIを見ると、業界全体で以前から不振が続くデパート・百貨店でも2月の-20.3から4月には-26.5へと落ち込んだものの、5月は-20.3と回復している。

ショッピングモールも2月の-12.0から4月に-18.4に落ち込んだものの、5月は-13.0と震災前まで回復した。アウトレットモールでも同様の傾向が見られた。
ネットショップの回復が遅れていることが分かる。

被災地とそこから遠いエリアでは違いがあるのだろうか。エリア別のインターネットショッピングの動向も見てみよう。

北海道・震災エリアでは、2月は28.6、4月は-0.9、5月は1.0と震災の影響により落ち込んだままだ。関東エリアでも、2月は+14,5、4月は+10.5、5月は+11.5と北海道・震災エリアと同様の傾向が見られた。しかし、近畿エリアでは、2月は+21.6、4月は+13.0、5月は+9.1と下落傾向に歯止めがかからない。

このように被災地よりも近畿エリアのほうが、回復が遅れているという状況が見られたのだ。今後の動向が気になるところだ。

クロス・マーケティング

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