ソニーは2011年06月10日、新世代標準暗号化方式AES(Advanced Encryption Standard)を採用した非接触ICカード用の次世代FeliCa ICチップを開発したことを明らかにした。

新ICチップは、カードとリーダー/ライター端末間の相互認証と暗号通信において、従来のDES(Data Encryption Standard)暗号方式に加え、AES暗号方式を備えることで、セキュリティーがさらに強化されている。

また、先進のプロセスとIC設計技術の最適な組み合わせにより、従来品と比較して低価格化を実現した。本ICチップは、サンプル出荷開始を今冬に、量産出荷開始を2012年春に予定している。

■セキュリティーを強化
非接触ICカード技術FeliCaは、カードや携帯電話上の機能として、交通乗車券や電子マネーなど高いセキュリティーと性能が重視される市場で広く普及しており、これまで累計億個以上のカードチップ及び携帯電話用のモバイルFeliCaチップを出荷している。

今回開発した次世代FeliCa ICチップは、現行のFeliCa ICチップと互換のDES暗号方式対応コマンド群を搭載しているため、この新ICチップを搭載するカードは現行FeliCa IC チップ搭載カードと同様に既存のサービスへも対応させることが可能だ。

また、セキュリティーマイグレーション機能により、これまで広く普及している現行システムから、AES暗号方式を利用する新システムへのスムーズな移行を実現している。

なお、このICチップのOSについては、JR東日本グループからの協力を得て仕様を策定したとしている。


ソニーは今後、この次世代FeliCa ICチップを搭載したカードやその他カード機能搭載製品、および対応するモバイル関連製品やリーダー/ライターなどを幅広く開発、製品化し、FeliCa を通じ、“かざす”ことによってより多くの利便性をユーザーに提供する環境を拡げ、新しいサービス、ライフスタイルを創出していく構えだ。

FeliCa ICチップというと、おサイフケータイを思い出す人が多いだろう。次世代FeliCa ICチップは、現行FeliCa IC チップ搭載カードと同様に既存のサービスへも対応していることからも、おサイフケータイが劇的に進化する可能性が出てきた。

ソニー
■寄稿:Android Station

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