ITライフハック

自分で好きなアプリを開発できるのがiPhoneアプリの特徴だ。飲み会で盛り上がるようなゲームを作ってユーザーに喜んでもらったり、実用的なユーティリティアプリで仕事の負担を軽減させたりと、人によって様々だろう。実際に、クリエイターは幅広いジャンル、あらゆる使い勝手を考えたアプリを開発している。

数あるiPhoneアプリのなかでも、特殊なアプリを作っている開発者がいる。今回紹介するレインボーアップス卒業生の鹿敷倫子さんもそのひとりだ。

鹿敷倫子さんは、個人で小説を書いている作家だが、今回は自分で書き上げた小説が読める電子書籍アプリ「-宿り木-」を作ったのだ。

■とてもシンプルな操作性
開発のポイントは、読みやすさと直感を重視して設計していること。
App Storeで購入できる電子書籍や小説は、「ブックリーダー」を使って読むのが一般的だ。このようなブックリーダーには、文字サイズを変更したり、分からない言葉をコピーして辞書で検索したり、画面を長押ししてフリックでページを早送りさせたりするなど、様々な機能を持っていることが多い。しかし、今回の小説付き電子書籍アプリでは、そのような複雑な機能を省いている。

読みやすさ、使いやすさにこだわり、本来の文庫本のように、読んでしおりを挟んだり（オートセーブ）、区切られたページにワープするぐらいの機能に抑えている。

■-宿り木-の概要
拝啓、自殺志願者へ
死んだはずなのに、死んでいないような自分。今の自分を言葉にするならきっと“幽霊”と言う言葉が正しいのだろう。たぶん…
自殺してから気づいたのは“生きる意味”と“死ぬ事の価値”
それに気づいた時にはもう遅かった…

■今後も作品をリリースしていく
販売数は少ないが、作品を読んだ人の反応は良いとのこと。「-宿り木-」は自殺について取り扱っている。自殺を考えたことがある人や、大事な人を自殺で失った人、これから自殺を考えている人がこの作品を読んで、残されたものの悲しみ、自殺したものの悲しみを理解してほしいとのこと。この作品が広まることで、自殺しようと考えている人を救いたいとしている。今後も、作品をリリースしていきたいとのことだ。

アプリ名：-宿り木-
価格：230円
カテゴリ：ブック
開発者：Tomonori Kojika
(c)2011 鹿敷倫子
バージョン： 1.0
条件：iPhone、iPod touch および iPad 互換 iOS 4.1 以降が必要
iTunes Store：http://itunes.apple.com/jp/app/id431580653?mt=8