映画にテレビに加え、スマートフォンPCゲームと3Dに対応したコンテンツ・端末が次々に登場してきている。
といっても、周りを見渡す限り、そんなに3Dが普及しているようには思えない。本当に3Dのニーズがあるのだろうか。

マーケティング&コンサルテーションの富士キメラ総研の調査報告書「3Dディスプレイ/ビジネス市場の全貌 2011」から、思わぬ結果が明らかになった。

2010年、電機メーカー各社から3D対応テレビが相次いで発売された。3D元年として本格的に市場が立ち上がるかと思いきや、「アバター」以降の3D映画のヒット作が続かなかったこと、パッケージソフトやテレビ番組などで3Dコンテンツやサービスが不足していたこと、専用メガネの煩わしさなどで、当初見込んでいたほどの市場規模にはならなかった。実際、2010年には3D対応テレビが430万だ、比率がわずか2.1%しかなかったのだ。3Dテレビもハイエンド中心のため、ユーザーが限定的であったことも要因のひとつだろう。

ここにきて、3D対応テレビが30インチクラスの中型サイズまで登場していることが背景となって、2011年は3100万台、3D比率13.9%まで拡大すると富士キメラ総研は予想している。価格も3D非対応製品との間で縮小してきたことが貢献する。さらに2015年になると3Dが標準搭載になるとして、1億4000万台、3D率が50%まで達するようだ。

一方、3Dディスプレイ市場では、2010年はメガネ方式が533万台、裸眼方式が53万台というレベルでしかない。しかし、テレビ同様2015年にはメガネ方式が1億6,746万台、裸眼方式が1億5,710万台まで急拡大すると予想している。

メガネ方式では、アクティブメガネが主流だが、パッシブメガネの採用も増えてきている。2010年にはアクティブメガネが98.1%を占めていたが、目の疲労を抑制でき、低コストのパッシブメガネが2011年には33.2%(数量ベース)に急伸すると予測している。

裸眼方式では、スマートフォンやゲーム機への採用で2011年以降に急拡大し、ニンテンドー3DSで採用しているパララックスバリア方式の構成比が高まり、裸眼方式の98.3%(数量ベース)を占めると見込まれている
パララックスバリア方式は、2Dと3Dの切り替えが容易で、将来的にはテレビやノートPCなどの中大型ディスプレイでも採用が進むことが考えられるため、2015年にはメガネ方式を抜くことが予測されるのだ。

まだ始まったばかりの3D市場だが、ディスプレイの進化、コンテンツやサービスの拡充が期待通りに進めば、今後広がっていくことが期待できるのだ。おそらく、30型以上のテレビには3Dが標準搭載となってきそうな雰囲気だ。買い替え時を狙うよりも、買い替えたら3Dだったということが起きてきそうだ。3D市場が広がるより、選択肢が3Dしかない時代がそこまで迫ってきているのかもしれない。

富士キメラ総研

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