前回の最優秀賞:in the chain(撮影者:鈴木 達哉さん)


いつもカメラを持ち歩き、気が向いたら写真を撮ってみる。そんな気軽に撮った写真を大事にする。そう、何気なく撮影した写真の中にも、かけがえのない一瞬の思い出が写しこまれているのだ。そんな気軽な撮影スタイル「Candid Photo」を提唱しているリコーが今年も「リコーフォトコンテスト」を開催する。

同コンテストは2004年6月にスタートし、今回で11回目となる。写真を楽しんでいる幅広いユーザーに、写真に親しんで参加できる企画として実施されている。応募作品がリコーのデジタルカメラで撮影されたものという以外は、制限がほとんどなく、だれでも気軽に応募できるコンテストとなっている。

グランプリの賞品はGXRとカメラユニット(RICHO LENS S10 24-72mm)、準グランプリはGRDIGITAL III+オプション(外部ファインダー、ネックストラップ)と写真好きには、うれしい賞品が用意されているのも人気の理由だ。応募して、ぜひとも賞品をゲットしたいと思い、フォトコンテストを運営する、リコー パーソナルマルチメディアカンパニー 企画室の戎谷真実氏にフォトコンテストの話を伺った。

リコー パーソナルマルチメディアカンパニー 企画室の戎谷真実氏

■今回のテーマは「輝き」
東日本大震災直後に“輝き”というフォトコンテストのテーマが決まったと言う。
「震災の被害に遭われた方々を勇気づけることができるようにと思い、テーマを決めました。前向きで、作品を見て、何か希望を感じさせるようなものにしたかったのです。募集テーマで「輝き」としたとき、応募してくださる方、それぞれで捉え方は本当にさまざまだと思います。夕日など、自然情景の中の輝きを、懸命にとらえようとする方もいると思いますし、人の内面的な輝きを写真で表現しようとする方もいらっしゃるのではないでしょうか。幅広い題材が被写体となるため、フォトコンテストのテーマとして、輝きがふさわしいと思ったのです。」

とても面白そうなテーマだが、どんな作品を期待しているのだろう。
「こういう被写体やシーンを撮ってほしいというのはないです。応募してくださる方それぞれの、ユニークな視点と感性でとらえた作品、見た人に新しい気付きや感動を与えてくれるような作品をお待ちしております。」
前回の特別賞:出口への入り口(撮影者:Mattia Marchi さん)

■世界で活躍している写真家が審査員に
審査員を務めるのは、内田ユキオ氏と小林紀晴氏の2人だ。
「2人ともグローバルで活躍されている写真家です。世界で有名な写真を撮られていて、こういう方に審査していただければ、応募していただいた方にも喜んでいただけるのでは、という視点で選びました」
正統派の写真を撮られている2人だが
「実際には、2人の好みの写真ばかり選ばれるわけではないんです。私にとってこれが輝きなんだ、というものが作品に反映している写真を選んでほしいということは、お話しています。フォトコンテストは、着眼点もポイントになるのです。だからこそ、ほかの人では気付かないような輝きに着眼された作品を期待しているのです。」

コンテストの入賞作品は、RING CUBEで写真展も開催されるので多くの人に自分の写真を見てもらえるチャンスにもなっている。
「優秀作品や入賞作品を、ぜひみなさんに見ていただきたいのです。入賞作品は全部で50点になるのですが、見ていただくときに、ストーリーが感じられるような流れが作れればと思っています。」
決して圧倒されるものではなく、心に響くような展示にしていきたいとのことだ。
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前回の特別賞:収穫日(撮影者:Min Liさん)

■どんな写真が来るのかが楽しみ
リコーフォトコンテストは、制限がほとんどないことから、他のコンテストと異なり、個性豊かで多様な作品が応募されるのが大きな特徴でもあり、魅力となっている、例えば、リコーのデジタルカメラで撮影していることだけが条件で、編集や加工を施したアート的な写真作品でもいいのだ。
「リコーのデジタルカメラにはさまざまな機能が搭載されています。色調を変えるクロスプロセス、コントラストが強くなるトイカメラ、ミニチュアの風景のように撮影できるミニチュライズなどです。フイルムの時代だと、光をそのままとらえたものを表現するしかなかったのですが、いまのデジタルカメラにはさまざまな写真技術が詰め込まれています。つまり、加工OKというより、カメラ自体がいろいろな加工をしてくれるのです。そんなカメラの機能を楽しんでいただきたいのです。」

全国で開催されているリコーのワークショップでもカメラの機能を使いこなしている人を見て驚くと言う。
「現在開催されている、リコーフォトワークショップツアー2011でも、リコーのカメラは初めてという方が、普通にトイモードなどを使っているんですよ。しかも驚いてしまうような視点で撮影されている方もいましたね。」
カメラの機能を使っていると、思いがけない写真が仕上がることもある。そんな写真も、もちろんコンテストに応募できるのだ。
前回のリコーフォトコンテスト 10回記念特別賞:ある日の色彩(撮影者:猪俣 肇さん)

このフォトコンテストは、だれでも気軽に応募できる一方で「簡単だと思う方もいますが、フォトコンテストに慣れていない方だと考え込んでしまうかもしれません。あまり深く考え込まずに、みなさんがとらえる輝きを持った被写体を写して、応募してほしいですね。」
普段から撮っている写真の中から、輝きというテーマに一番合う写真を選ぶのがよさそうだ。
「フォトコンテストの応募条件は、本当にわずかしかないんです。古いリコーのデジタルカメラでも、撮りためたものがあれば、掘り起こしていただいて、応募していただければと思います」

リコーのワークショップではカメラを貸し出している。RING CUBEでも貸し出している。そこで撮影した写真を応募してもかまわない。「本来のユーザーの方だけでなく、貸し出しの機会を活用し、ぜひ触って、体験していただいて、写真を撮っていただいて、応募してほしいですね。」

第11回 リコーフォトコンテスト 作品募集
募集テーマ:輝き
応募期間:2011年6月14日(火)~2011年8月31日(水)
審査員:内田ユキオ/小林紀晴
URL:http://www.ricoh.co.jp/dc/photostyle/appreciation/contest/

リコーフォトギャラリー RING CUBE
住所:東京都中央区銀座5-7-2 三愛ドリームセンター8階・9階(受付9階)
問い合わせ先:03-3289-1521
開館時間:11:00~20:00(最終日17:00まで)
休館日:火曜日
入場料:無料

リコーフォトギャラリー「RING CUBE」

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