Windows 7の登場以降、順調に伸びてきたPCに異変が起こった。
薄型テレビ携帯電話など、さまざまなIT機器の市場調査を行っている電子情報技術産業協会(JEITA)が行ったパーソナルコンピューター国内出荷実績調査から、6月は前年割れの出荷となったのが分かったのだ。

2011年度に入ってから、前年割れとなったのは6月が初めてだ。東日本震災後に出荷が落ち込んでいたが、4月、5月と徐々に持ち直してきたところだった。ただし、6月には気になった点も多い。それもこれから順に説明していこう。

6月の出荷台数はパソコン全体で86万台となった。前年比で93.0%だ。内訳を見ると、デスクトップが25万7000台で前年比86.9%、ノートが60万3000台で前年比95.8%で、ノートの比率は70.1%だった。
パソコン全体では4月90万4000台(前年比102.3%)、5月の80万1000台(前年比126.9%)と比べても、台数は横ばいと言っていいだろう。前年比でマイナスになったのは、2010年6月の出荷台数が好調だった影響と思われる。

第1四半期全体で見ると、パソコンは256万6000台(前年比105.1%)で、その中でもデスクトップが77万台(前年比106.0%)、ノートが179万6000台(前年比104.7%)となった。順調な伸びがうかがえる数字だ。

ただし気になる点もある。地上デジタルチューナー内蔵PCの伸びが怪しいのだ。4月に12万台(前年比115.5%)、5月に11万4000台(前年比212.0%)だったのに対して、6月は9万4000台(前年比70.6%)に落ち込んでいる。アナログ放送停波による需要増は薄型テレビでは、6月はとても顕著だったものの、パソコンについては、後れを取っているといっても良さそうだ。

また、3D対応パソコンの出荷実績も、4月5000台、5月8000台に対して、6月は5000台。3D本格化というには、まだまだの数字となった。

今後、夏のボーナス向けてどのくらい販売が伸びるのか、アナログ停波が7月の地上デジタル対応パソコンの出荷にどれほど影響があるのか、3D対応パソコンはいつから本格的に伸びていくのか。見ものだ。

JEITA

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