W-ZERO3で切り開いた日本のスマートフォン市場だが、iPhoneの登場以来海外勢が勢力を増してきた。2011年春夏モデルでは日本メーカーの巻き返しが見られるようになってきた。
このように、激動の様相を見せているスマートフォンが世界を席巻し始めている。
市場調査とマーケティングを行っている矢野経済研究所の「スマートフォン市場に関する調査結果 2011」が、それを裏付けたのだ。
■スマートフォン人気に火が付いた国内市場
2010年度、スマートフォンの国内出荷台数は前年度比391.2%の850万8000台を記録した。従来の携帯電話にはないデザイン、インターフェースで関心が高まっていたスマートフォンに対して、2010年度にキャリアやメーカーが相次いでスマートフォン市場に参入し、急速に活気づいてきたからだ。年末には「ワンセグ」「おサイフケータイ」「赤外線」といった日本で人気の機能が搭載された機種まで登場したことが人気に拍車をかけた。
ビジネス用途からコンシューマー用途へと広がってきたスマートフォンだが、2010年度は海外メーカーの日本進出も激しく、2010年度のスマートフォンにおける海外メーカーの割合は50.5%(429万台)に達したほど、海外メーカーの強さが目立った年となった。
2011年度は前年度比250.5%の2131万台にまで拡大すると予想している。すでに国内外のメーカーの多くがスマートフォンに参入しているうえ、キャリアもスマートフォンを主力商品と位置付けているため、2011年度に出荷される携帯電話、タブレットなどの移動体通信端末の過半数がスマートフォンになる見通しなのだ。
国内はハイエンド志向が強いため、すでに防水や薄型などがスマートフォンに取り込まれてきているが、さらにスペック競争が激化する可能性もある。その一方で、海外メーカーからスペックを絞り込んだローエンド端末も登場し、ラインアップが拡充していきそうだ。
■海外では、新興国でもスマートフォンが人気に
海外でも、スマートフォンで出遅れていた大手携帯電話メーカーが市場に参入したことでスマートフォン市場が本格的に立ち上がった。また欧州や北米市場などの先進国に加えアジア・中南米をはじめとする新興国や途上国においてもスマートフォン人気が急拡大した。
これにより、2010年の世界のスマートフォン出荷台数は前年比156.1%の2億9593万6000台(2009年実績は1億8955万4000 台)まで伸びた。
海外の多くの市場では、3G携帯電話サービスの普及にあわせてスマートフォンが普及している。また日本市場と同様、販売奨励金による販売がスマートフォンに適用されるケースが多く、2年間の長期契約との抱き合わせで安価に販売されているようだ。
さらに、ソーシャルメディアの普及もスマートフォン人気を後押ししている。これに加え、主要なプラットフォームではアプリケーションやコンテンツストアの整備が進み、スマートフォンは携帯ゲームのプラットフォームとしても有力となりそうだ。
2012年以降は、150ドル未満のローエンド端末への注目度が高まるとしているだ。特に新興国や途上国向けに、大手メーカーとコスト競争力に優れる地元企業との競争が激化しそうだ。そして、2017年には、世界で14億8479万台の出荷を予測しているのだ。
海外では国内メーカーのスマートフォンは、現在はコスト競争力や最新仕様への対応で太刀打ちできない状況にある。国内メーカーは携帯電話開発で得たノウハウを注入した製品を導入しているものの、製品コンセプトをさらに磨きながら、新しい価値観を提示することで、海外メーカーに対抗していく必要があるのだ。
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これからスマートフォンが起こすこと。
著者:本田 雅一
販売元:東洋経済新報社
(2011-05-20)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
2010年度、スマートフォンの国内出荷台数は前年度比391.2%の850万8000台を記録した。従来の携帯電話にはないデザイン、インターフェースで関心が高まっていたスマートフォンに対して、2010年度にキャリアやメーカーが相次いでスマートフォン市場に参入し、急速に活気づいてきたからだ。年末には「ワンセグ」「おサイフケータイ」「赤外線」といった日本で人気の機能が搭載された機種まで登場したことが人気に拍車をかけた。
ビジネス用途からコンシューマー用途へと広がってきたスマートフォンだが、2010年度は海外メーカーの日本進出も激しく、2010年度のスマートフォンにおける海外メーカーの割合は50.5%(429万台)に達したほど、海外メーカーの強さが目立った年となった。
2011年度は前年度比250.5%の2131万台にまで拡大すると予想している。すでに国内外のメーカーの多くがスマートフォンに参入しているうえ、キャリアもスマートフォンを主力商品と位置付けているため、2011年度に出荷される携帯電話、タブレットなどの移動体通信端末の過半数がスマートフォンになる見通しなのだ。
国内はハイエンド志向が強いため、すでに防水や薄型などがスマートフォンに取り込まれてきているが、さらにスペック競争が激化する可能性もある。その一方で、海外メーカーからスペックを絞り込んだローエンド端末も登場し、ラインアップが拡充していきそうだ。
■海外では、新興国でもスマートフォンが人気に
海外でも、スマートフォンで出遅れていた大手携帯電話メーカーが市場に参入したことでスマートフォン市場が本格的に立ち上がった。また欧州や北米市場などの先進国に加えアジア・中南米をはじめとする新興国や途上国においてもスマートフォン人気が急拡大した。
これにより、2010年の世界のスマートフォン出荷台数は前年比156.1%の2億9593万6000台(2009年実績は1億8955万4000 台)まで伸びた。
海外の多くの市場では、3G携帯電話サービスの普及にあわせてスマートフォンが普及している。また日本市場と同様、販売奨励金による販売がスマートフォンに適用されるケースが多く、2年間の長期契約との抱き合わせで安価に販売されているようだ。
さらに、ソーシャルメディアの普及もスマートフォン人気を後押ししている。これに加え、主要なプラットフォームではアプリケーションやコンテンツストアの整備が進み、スマートフォンは携帯ゲームのプラットフォームとしても有力となりそうだ。
2012年以降は、150ドル未満のローエンド端末への注目度が高まるとしているだ。特に新興国や途上国向けに、大手メーカーとコスト競争力に優れる地元企業との競争が激化しそうだ。そして、2017年には、世界で14億8479万台の出荷を予測しているのだ。
海外では国内メーカーのスマートフォンは、現在はコスト競争力や最新仕様への対応で太刀打ちできない状況にある。国内メーカーは携帯電話開発で得たノウハウを注入した製品を導入しているものの、製品コンセプトをさらに磨きながら、新しい価値観を提示することで、海外メーカーに対抗していく必要があるのだ。
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著者:本田 雅一
販売元:東洋経済新報社
(2011-05-20)
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