スマートフォン人気に後押しされるだけでなく、ネットブックや小型のノートパソコンからの乗り換えも進んでいるのがタブレットだ。iPadが切り開いたこの市場も、さまざまな通信事業者、メーカーが参入し始めた。

そこで、矢野経済研究所の「タブレット市場に関する調査結果 2011」から、人気タブレットの傾向を見ていこう。

2010年度の国内市場を見ると、タブレットの出荷台数は96万6000台だった。その多くは海外メーカー製となっている。スマートフォンでは国内メーカーが巻き返してきているものの、さすがにタブレットまでは手が回っていないのが実情だ。
そのタブレット市場は、2011年度に前年度比301.8%の291万5000台まで拡大すると矢野経済研究所は予測している。ただし、夏商戦までは導入モデルが少なく、一部のメーカーの製品に人気が集中するようだ。
年末商戦には通信事業者のブランドに加えて、パソコンメーカーやAV機器メーカーが参戦する見通しとなっている。これにより、2011年は3G内蔵モデルが123万5000台、WiFiモデルが168万台(モバイルWiFiルーターのセット販売込み)になるとのことだ。つまり、2011年度はWiFiモデルの年になりそうだ。

ただし、通信事業者ブランドは相変わらず強く、通信事業者ブランドが220万台とそのほかのメーカーブランドの71万5000台を圧倒する。そのため、2011年度の売れ筋の傾向を見ると、通信事業者ブランドでWiFiモデルが主流となりそうだ。

世界を見ると、2011年には前年比327.2%の6627万台にまで拡大する見込みだ。タブレット開発で出遅れ感のあったパソコンメーカーがスマートフォン向けOSだけでなく、パソコン向けOSを搭載した製品を導入している。つまり、パソコンの1バリエーションとしての地位を確保しつつあるのだ。そのため国内と同様に3G非内蔵が主流となる見通しなのだ。サイズは10インチ前後のディスプレイを搭載した製品が市場の中心となりそうだ。

これから家電、AV機器メーカーが参入し、独自サービスを前面に打ち出したり、デザイン性を協調したりすることで差別化が進んでいくと矢野経済研究所では予想している。まだ手探り状態のタブレットだが、コンテンツやアプリケーション供給を含めた環境整備が進み、多種多様な製品が導入されることで、2012年以降には1億台を突破し市場が順調に拡大していきそうな勢いだ。

矢野経済研究所

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