SDカードは、ケータイ、ポータブル音楽プレイヤー、家庭用ゲーム機、デジタルカメラなど、幅広い製品に使われている。みんなも1枚や2枚どころではないくらい持っていることだろう。すでにメモリーカードの王様状態で、ケータイで使用されているメモリーカードでは、出荷総数でmicroSDカードが占める割合が、2007年は56.0%だったのが、2011年には85.6%まで増えたほど。microSDHCカードなどの大容量カードも登場し、使用用途の幅がさらに広がってきている。向かうところ敵なしだ。メモリーカードといえば、SDカードといってもいいくらいだ。

でも、ちょっと待てよ。あまり気にせずに買っているSDカードだが、いろんな種類があることを知っているだろうか。そこで、どんなSDカードがあるのかを調べてまとめてみたので参考にしてもらいたい。

■容量と速度がポイント
写真に音楽、動画、アプリとあらゆるデータがどんどん肥大化してきている。写真は年々解像度が上がり、アプリは携帯ゲーム機とそん色ないものまで登場してきた。本体にストレージを持っている機器もあるが、それだけでは足らないのは、みんなも知っての通りだろう。そこで、外部のメモリーが必要になるだけでなく、大容量化が重要になってくるのだ。

もうひとつ、大事なのがデータの転送速度だ。データの容量が肥大化するに従い、1つのファイルを転送するのに時間がかかるようになってきた。つまり高速化が必須となってきたのだ。
データ容量と転送速度は切っても切れない関係にある。

このように大容量化、高速化を進めることで、SDカードは普及していった。

ここで、分かるように、基本的に、容量、データ転送速度で違いがあるのだ。

■サイズが違うと名前も違う
最初は郵便切手ほどのサイズのSDカードから始まった。当時はこれでも小さかったが、市場のニーズにあわせてmini、microと小型タイプが次々に登場した。もし、さらに小型のものが登場するとなるとnanoか? と思ってしまう。というか、nanoSDをMTTドコモ(NTTドコモではない)が採用するなんてウワサも流れたほどだが、microSDより小さいとすでに人の手では取り扱えなさそう。さらにpicoSDまで進化すると……。手におえない。

・SD
SDカードは24×32×2.1mmという小さなサイズのSDカードは、郵便切手とほぼ同じサイズだ。SDと互換性を持つ機器なら、デコーダーソフトウェアを使用することで、音楽やビデオをハードなしで再生できることを目的としている。
もともと、SDカードから始まった。パナソニック、サンディスク、東芝の3社が、2000年1月にSDアソシエーションを設立し、SD製品の採用拡大を図るために業界標準を設定してきた。いまでは製品の設計、開発、製造、販売に携わる約1300社の会員企業がいる。
・主な仕様
面積:768平方mm
カード体積:1613立法mm
厚さ:2.1mm
重量:約2g
ピン数:9ピン
作動電圧:2.7~3.6V
書き込み保護スイッチ:あり
著作権保護:CPRM
容量:最大2GB

・miniSD
携帯電話の小型化を追求していた業界の要求を満たすために開発された。SDカードのわずか37%という小型サイズだが、著作権機能などのすべての機能が組み込まれた。SDカードのアダプターも登場し、標準タイプのSDカードで使用できる製品にも対応したのだ。
・主な仕様
面積:430平方mm
カード体積:602立法mm
厚さ:1.4mm
重量:約1g
ピン数:11ピン
作動電圧:2.7~3.6V
書き込み保護スイッチ:なし
著作権保護:CPRM
互換性:あり(要アダプター)
容量:最大2GB

・microSD
miniSDと同様に、急成長を続け、急速に進化する携帯電話市場に向けて設計された。miniSDよりさらにコンパクトになり、標準SDカードの1/4程度のサイズとなった。ほぼ指の爪ほどの極小サイズだ。
・主な仕様
面積:165平方mm
カード体積:165立法mm
厚さ:1.0mm
重量:約0.5g
ピン数:8ピン
作動電圧:2.7~3.6V
書き込み保護スイッチ:なし
著作権保護:CPRM
互換性:あり(要アダプター)
容量:最大2GB

■最大容量で仕様が変わる
通常のSDカードは2000年当時としては大きめの2GBを最大容量として仕様が決められた。しかし、機器の進歩はめざましく、大容量へのニーズが高まってきたのだ。そこで、ファイルシステムをFAT32にして容量を最大32GBまで拡大したSDHCが登場したのだ。

さらに容量を拡大したのがSDXCだ。容量を最大2TBへと大幅に増やしている。exFATファイルシステムを採用し、大容量のデータを効率よく処理できるようにしているのだ。
注意点もある。間違って、SDXCに対応していない機器に差した場合、“カードをフォーマットしてください”というメッセージが出ることがある。このまま、フォーマットすると、SDXCとして使えなくなる場合があるのだ。

SDHCにはminiSDHC、microSDHCがあるが、仕様は容量が最大32GBになった以外は、サイズ、重量、ピン数、互換性などの仕様は変わらない。

■データ転送速度が異なると
転送速度は、スピードクラスといわれ、「スピードクラス」「UHSスピードクラス」の2種類がある。データの転送速度は、ビデオのストリーミングなどで重要となる。もし、スピードが遅ければ、録画するときに支障が出るからだ。そこで、最低限の書き込み能力を示すために、スピードクラスが設定されているのだ。もちろん、その転送速度に見合ったインターフェースを持っていないと、能力を十分に発揮できない。

・スピードクラス2
1秒間に最低2MBのデータが転送できる。SD画質のビデオならこれで十分だ。

・スピードクラス4/スピードクラス6
クラス4は4MB/秒、クラス6は6MB/秒の転送速度を持っている。だいたいHD~フルHD画質の録画に適しているといえる

・スピードクラス10
1秒間に最低10MBのデータ転送ができるのが、クラス10だ。High Speed Bus I/Fが必要とされている。

・UHSスピードクラス1
UHS-I Bus I/F用に設定され、SDHC UHS-I、SDXC UHS-Iで利用できる。最大で毎秒104MBまでとなっている。ちなみに、UHSはUltra High Speedのことだ。

このほか、SDアソシエーションからはSD 4.0というより高速な仕様も発表されている。SDXCとSDHCに対応し、毎秒300MBのデータ転送を実現するようだ。カードのサイズなどは従来と同じようだが、dual-row pin memory cardとあるように、ピンの配置が変わるかもしれない。

■機能拡張したら
標準のSDでは、SDカードスロットをメモリーカード以上の機能に使用できるような能力を持っている。
そのひとつがSDIOで、標準のSDカードスロットを使って、GPS、カメラ、WiFi、イーサーネット、Bluetoothといった新たな機能を付加できるのだ。

smartSDは、ICカードの機能を持つSDカードだ。コントローラーとSmart Card Module、フラッシュメモリーが一体となっている。

■フジフイルムの新SDHCカードに当てはめると
富士フイルムのクラス10に対応した「SDHCカード Class10」に当てはめると、SDHCのため2GB以上、32GB以下のカードで、毎秒10MB以上の転送速度を持つことが分かる。今回の富士フイルムのカードは、4GB、8GB、16GB、32GBの4タイプがあり、クラス6の従来品より高速なデータ転送が可能で、快適に撮影・再生できるようになっている。

大容量になればなるほど、高速になればなるほど価格は高くなる。自分の使っている機器が、何に対応なのかを見極めながら、必要にあわせて買うのがいいだろう。低解像度の写真なら無理に高速なカードを買う必要はないし、自分の持っている機器がSDHCまでしか対応していないならSDXCを買うことはないのだ。

SD Association
富士フイルム

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