無線LANやWiMAXをはじめ、LTEやXGPなど、高速通信が注目されている。PCを持っているユーザーならなおのこと、高速通信の動向は気になることだろう。
そんな高速通信で必須の技術となっているのがMIMO(Multiple Input Multiple Output)だ。ルネサス モバイルとアンリツが無線通信技術MIMOのテストケースで3GPPの認証を業界で初めて取得したことを12日に発表したこともニュースとして新しいところ。

そこで、MIMOはどんな技術なのかを紹介しよう。

MIMOとは、複数の送受信アンテナを使用し、データの送受信を行う無線通信技術だ。
従来の通信では、同一周波数で複数の通信を行うと電波が干渉するという問題があった。そのため、高速化に限界があった。そこで開発されたのがMIMOで、同一周波数で異なる信号を多重伝送できることが特徴となっている。これにより、限られた電波で伝送できるデータをさらに増やせるのだ。
また従来、障害物で乱反射した電波は、通信を阻害する原因だった。しかし、MIMOでは乱反射した複数の電波までも復号して活用する。そのため、建物の壁などで電波が届きにくかった場所でも通信状況が改善できるのだ。
これらにより、高速で安定した通信を実現している。

要素技術としては、変復調、リンクアダプテーション、チャネル推定・等化、誤り制御、干渉キャンセル、アレー信号処理、ダイバーシチ、行列演算などの数多くの技術が用いられている。

変復調・多重技術は、スペクトル拡散変調を用いた符号分割多元アクセス(CDMA)、直行周波数分割多重(OFDM)により成り立っている。複信通信方式には周波数分割複信(FDD)と時間分割複信(TDD)がある。TDDは送信と受信で同じ周波数帯域を利用することから、受信側で取得された伝搬チャネル情報は送信側に適用できるというメリットがある。

リンクアダプテーションは無線リンクの恐恐に応じて、変調多値数(伝送レート)や符号化レート、送信電力配分を適応制御させる技術だ。これにより無線機が移動することで無線区間の距離やフェージングなどが変動することに対応している。

チャネル推定・等化技術は、広帯域伝送でのマルチパスによる選択性フェージングの影響により符号間干渉(ISI)が発生することで通信品質を著しく劣化することを補償する技術だ。

誤り制御技術は、符号化と復号化で誤りを訂正する誤り訂正技術と、誤りがあった場合に送信側に再送を要求する誤り検出・再送制御技術がある。誤り訂正技術として、トレリス(Trellis)符号、ターボ(Turbo)符号や低密度パリティチェック(LDPC:Low Density Parity Check)符号などが用いられている。

干渉キャンセル技術は、アンテナから受信された干渉信号を時間軸上でキャンセルする技術のこと。アンテナから送信または受信された信号を空間軸上で処理することをアレー信号処理と呼ぶ。

このように、MIMOはさまざまな技術が組み合わされているのだ。

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