現代社会では、大容量データをやりとりするスマートフォンなどの携帯端末が急速に普及し、いつでも・どこでも通信可能なブロードバンド接続が必要となっている。こういった大容量データをやりとりするための高速データ伝送には、「光ファイバ通信」が適している。

しかし、持ち運びなどの利便性を重視する場合には、「無線通信」の技術が不可欠だ。「光通信」は毎秒10ギガビット程度の伝送速度が一般的ですが、これに対して、「無線通信」は利用可能な電波帯域が限られているため、最新の無線LAN(IEEE802.11n)でも、毎秒0.3ギガビット程度の伝送速度にとどまっている。

ユーザが、無線通信であることを意識せずに、データ通信を利用するためには、無線通信の高速化を図り、光通信との速度差を縮める必要がある。この実現のため、携帯電話や無線LANなどで混雑する「マイクロ波帯」を避け、新たな周波数帯域での高速無線伝送技術の開発が必要とされており、より高い周波数帯での広帯域かつ高精度の信号発生・検出が技術課題となっていた。

そうした中で独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は、大阪大学と共同で、電波による世界最高速である毎秒40ギガビットの無線伝送実験に成功した。この速度は、これまでの伝送実験最高記録(毎秒27ギガビット)を大きく超え、最新の無線LANの約130倍もの速さになる。

毎秒40ギガビットの伝送速度があれば、例えば、無線LANでは14分以上かかる容量32ギガバイトのメモリ転送の所要時間は、わずか6秒程度となる。また、スーパーハイビジョンの非圧縮伝送も可能となる。

この実験の成功は、NICTの光技術と無線技術の融合によるもので、利便性と低コスト性を兼ね備えた新世代大容量通信を支える技術として期待されている。

独立行政法人情報通信研究機構(NICT)

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