2011年8月7日にApple銀座店で「ソーシャル型アプリケーションの行方」というイベントが開催された。
ゲストスピーカーには、「ツブエキ」(無料総合4位)の作者でありレインボーアップススクール6期生の松田氏、「コーデカメラ」(無料総合3位)を提供している株式会社TMN代表の山本氏、「ドリームプロデューサー」(有料総合27位)を提供しているCyberX代表取締役の小柳津氏という顔ぶれを迎え、プレゼンが行われた。
今回は、このイベントを通じて、Twitterアプリ、写真共有アプリ、ゲームアプリ、それぞれ違う立場から、昨今のキーワードとなっている「ソーシャル」について、どのように考えているのかをまとめてみたい。
■いかに魅力的な蛇口を用意するか
「ツブエキ」は膨大なツィートからユーザが設定した駅名でソートするというアプリだ。使ったことがない方は「何だそれだけか」と思われるかもしれないが、震災の時、「自分が住んでいる町は大丈夫か」という使い方で、多くの利用者が重宝した。
Twitterに流れる情報は、140字以内のつぶやきだけではなく、実は、返信タグ、RTタグ、ハッシュタグ、プロフィール、GPS情報、写真貼付など、多彩である。
これをどう編集し直すかの自由な発想があるからこそ、毎日数百の連携アプリが登場している。松田氏の「流れているものは同じでも、ユーザの用途にあわせて蛇口を魅力的にすればいい。」言い得て妙な表現には納得感があった。
■メディアでいくのか、ツールでいくのか?
Androidのメガヒットアプリ「FXカメラ」が1000万以上のインストールを稼ぎながら、月に60万円しか広告収益がなかったというニュースがあった。
この状況を山本氏は、
「毎日、カメラアプリを起動する人は少ない。だから毎日見に来てくれるようなメディアとしてのアプリを目指した。」と指摘する。
コーデカメラは、自分用に写真に残すのではなく、みんなに見せるような趣向にした。そのために、奇麗に見せるための写真加工やプリクラスタンプ機能を用意している。こうしてできあがった共有ページでは、あたかも雑誌を見ているような楽しみが創出されている。
■アイコンマーケティング
これはソーシャルと関係ないが、カメラアプリでのアイコンデザインについて、山本氏にヒントをいただいたので共有しよう。
山本氏いわく、
「カメラアプリのよいアイコンはそのアイコンでどんなアプリかを目一杯表現している。インスタントカメラのようなアイコン、レザーで高級感を出しているアイコン、プリクラのスタンプをちりばめたアイコンなど、すべてレンズをフィーチャーしながら、そのテイストでカメラの用途がイメージできる。」とのこと。
アイコンでそのアプリの中身を表現するという努力は他のジャンルのアプリにもあてはまるだろう。
■Yahoo!からGoogle、GoogleからFacebookという変遷が意味すること
小柳津氏はモバイルインターネットの歴史観から今後のアプリのトレンドを予想する。iモードは、Yahoo!のように人を集め、そこにコンテンツをちりばめた。そのあと広告ビジネスの台頭により、コンテンツからコンテンツへとユーザが移動するようになった。
それはGoogleの思想とも一致する。そして今は、友達の招待やフィードから、コンテンツを摂取しているようになっている。まさにグリーやモバゲーはその潮流の中で成長した。
奇しくもFacebookの時代と一致しており、私たちも現状に安住することなく、この流れで何が受け入れられるのか時代を読んでいかなくてはならないというのだ。
■有料ランキングではなく、トップセールスランキングを見よ
さらに小柳津氏は、iモードの公式課金スタイルからモバゲーやグリーのような課金体系の時代の流れが、
「今年に入って、スマートフォンでも無料バラマキ+追加課金がトレンドになってきた。」
と指摘した。
現に、トップセールスランキングのトップ25のうち10以上がそのような課金体系のものである。その中でも人とのつながりがキーポイントになっているソーシャル型アプリが健闘しているというわけだ。
以上、印象に残ったキーセンテンスをまとめてみた。
次回は、9月26日、Apple銀座店で「エンターテインメントアプリの成功と失敗の分かれ目とは。」
というイベントが予定されている。ゲストスピーカーには、
株式会社フジテレビジョン 野村和生氏、株式会社スパイア 新上幸二氏、株式会社ジェネシックス 三田文康氏、という顔ぶれが予定されている。
ビジネス難易度が高く総合力が試されるエンターテインメント系アプリの分野にて、キャンペーンアプリを企画されている方、コンテンツホルダーの方は、是非、ご参加いただきたい。
●エンターテインメントアプリの成功と失敗の分かれ目とは。
●「ツブエキ」
●「コーデカメラ」
●「ドリームプロデューサー」
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「ツブエキ」は膨大なツィートからユーザが設定した駅名でソートするというアプリだ。使ったことがない方は「何だそれだけか」と思われるかもしれないが、震災の時、「自分が住んでいる町は大丈夫か」という使い方で、多くの利用者が重宝した。
Twitterに流れる情報は、140字以内のつぶやきだけではなく、実は、返信タグ、RTタグ、ハッシュタグ、プロフィール、GPS情報、写真貼付など、多彩である。
これをどう編集し直すかの自由な発想があるからこそ、毎日数百の連携アプリが登場している。松田氏の「流れているものは同じでも、ユーザの用途にあわせて蛇口を魅力的にすればいい。」言い得て妙な表現には納得感があった。
■メディアでいくのか、ツールでいくのか?
Androidのメガヒットアプリ「FXカメラ」が1000万以上のインストールを稼ぎながら、月に60万円しか広告収益がなかったというニュースがあった。
この状況を山本氏は、
「毎日、カメラアプリを起動する人は少ない。だから毎日見に来てくれるようなメディアとしてのアプリを目指した。」と指摘する。
コーデカメラは、自分用に写真に残すのではなく、みんなに見せるような趣向にした。そのために、奇麗に見せるための写真加工やプリクラスタンプ機能を用意している。こうしてできあがった共有ページでは、あたかも雑誌を見ているような楽しみが創出されている。
■アイコンマーケティング
これはソーシャルと関係ないが、カメラアプリでのアイコンデザインについて、山本氏にヒントをいただいたので共有しよう。
山本氏いわく、
「カメラアプリのよいアイコンはそのアイコンでどんなアプリかを目一杯表現している。インスタントカメラのようなアイコン、レザーで高級感を出しているアイコン、プリクラのスタンプをちりばめたアイコンなど、すべてレンズをフィーチャーしながら、そのテイストでカメラの用途がイメージできる。」とのこと。
アイコンでそのアプリの中身を表現するという努力は他のジャンルのアプリにもあてはまるだろう。
■Yahoo!からGoogle、GoogleからFacebookという変遷が意味すること
小柳津氏はモバイルインターネットの歴史観から今後のアプリのトレンドを予想する。iモードは、Yahoo!のように人を集め、そこにコンテンツをちりばめた。そのあと広告ビジネスの台頭により、コンテンツからコンテンツへとユーザが移動するようになった。
それはGoogleの思想とも一致する。そして今は、友達の招待やフィードから、コンテンツを摂取しているようになっている。まさにグリーやモバゲーはその潮流の中で成長した。
奇しくもFacebookの時代と一致しており、私たちも現状に安住することなく、この流れで何が受け入れられるのか時代を読んでいかなくてはならないというのだ。
■有料ランキングではなく、トップセールスランキングを見よ
さらに小柳津氏は、iモードの公式課金スタイルからモバゲーやグリーのような課金体系の時代の流れが、
「今年に入って、スマートフォンでも無料バラマキ+追加課金がトレンドになってきた。」
と指摘した。
現に、トップセールスランキングのトップ25のうち10以上がそのような課金体系のものである。その中でも人とのつながりがキーポイントになっているソーシャル型アプリが健闘しているというわけだ。
以上、印象に残ったキーセンテンスをまとめてみた。
次回は、9月26日、Apple銀座店で「エンターテインメントアプリの成功と失敗の分かれ目とは。」
というイベントが予定されている。ゲストスピーカーには、
株式会社フジテレビジョン 野村和生氏、株式会社スパイア 新上幸二氏、株式会社ジェネシックス 三田文康氏、という顔ぶれが予定されている。
ビジネス難易度が高く総合力が試されるエンターテインメント系アプリの分野にて、キャンペーンアプリを企画されている方、コンテンツホルダーの方は、是非、ご参加いただきたい。
●エンターテインメントアプリの成功と失敗の分かれ目とは。
●「ツブエキ」
●「コーデカメラ」
●「ドリームプロデューサー」
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