キヤノンの発表によると、同社は2011年9月、一眼レフカメラEOSシリーズのフィルムとデジタルを合わせた累計生産台数5,000万台を突破した。また、10月下旬にはEOSシリーズ用の交換レンズであるEFレンズの累計生産本数7,000万本を達成する予定とのこと。直近1,000万の生産数を、EOSは1年4カ月で突破し、EFレンズは9カ月で達成する見込みで、いずれも急速な伸びを示している。一眼レフ市場は、にわかに活気づいていると言ってよいだろう。

そうした背景のもと、同社はスポーツや報道、スタジオ撮影などプロの撮影現場に求められる高度な性能を備えたデジタル一眼レフカメラ「EOS-1D X」を、2012年3月下旬より発売すると発表した。

従来、キヤノンのデジタル一眼レフカメラの最上位モデルは、特に高画質を追求した「1Ds」シリーズと高速性能に最も優れた「1D」シリーズの2系統で展開してきた。新製品「EOS-1D X」はそれらを統合し、高画質性能と高速性能を最高レベルで兼ね備えたプロ仕様の旗艦モデルだ。

■圧倒的な高画質性能
本瀬品は、新開発の35mmフルサイズ、約1,810万画素のCMOSセンサーと、DIGIC 4の約17倍の処理能力を持つ新映像エンジンDIGIC 5+を2基装備したデュアルDIGIC 5+の搭載により、常用ISO感度を最高ISO51200※まで拡大した。これにより、屋内など暗所での撮影においてもノイズを抑えた美しい画像が得られる。
※動画撮影時の常用ISO感度は、ISO100~25600です。

■AE/AF性能の大幅な進化
10万画素のRGB 測光センサーとDIGIC 4を組み合わせることで、明るさだけでなく被写体の顔や色の認識が可能な新AEシステムの採用により、より高精度な露出制御を実現する。

従来機種「EOS-1D Mark IV」(2009年12月発売)のF2.8測距と同等の精度を持つF4.0 対応の測距センサーを20点配置した、総測距点数61点の新AF センサーの搭載により、被写体の捕捉率とピント合わせの精度が、従来機種から大幅に向上している。さらに、新AEシステムとの連携により、被写体の顔や色を追尾してピントを合わせ続けることが可能だ。

■プロの高度なニーズに応える高速性能
デュアルDIGIC 5+の搭載により、高精度にAE/AFを行いながら最高約12コマ/秒(ISO32000以上では最高約10コマ/秒)の高速連写を実現した。さらに、最高約14コマ/秒の超高速連写(ミラーアップ撮影、JPEG記録のみ)も可能にし、プロが狙う決定的瞬間を捉える。


キヤノンは今後、光学技術を核に多様なイメージング技術に磨きをかけ、魅力的で信頼性の高いカメラやレンズづくりに挑戦し続けることで、初心者からハイアマチュア、プロに至るまで幅広いユーザーの多様なニーズに対応し、写真・映像文化の発展に貢献していくとしている。

「EOS 1DX」製品情報
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