アナリストの分析によれば、ネットユーザの多くが、PCやモバイル端末などの多様化する機能を統合した "オールインワンデバイス" に移行するだろうと予測しています。

しかし、現状は少し異なります。ノートPCやスマートフォン、タブレットなどの新しい端末が登場するたびに、まるで新しいテクノロジを現状の環境に追加していくように、ユーザの多くは、古い端末を新しい端末に置き換えるのではなく、新旧混在した複数の端末環境で、複数 OSを利用しています。

つまり、端末の多様化に伴い、すべての端末、すべてのOSのセキュリティを確保することが一層複雑化しており、それはユーザだけでなく、我々エフセキュアなどのセキュリティ対策を提供する企業や、キャリアやサービス事業者、メーカなどにとっても大きな課題となっています。

未だに狙われているWindows XP
今年10月、統計調査や解析サービスを提供するStatCounterが、 Windows 7がWindows XPに代わりOSの世界シェアトップの座を獲得したと発表しました。確かに、市場シェアの観点からはWindows7がWindows XPを超えていますが、だからと言って劇的にWindows XPが縮小するわけではありません。

エフセキュアのセキュリティ研究所でセキュリティ・アドバイザを務めるショーン・サリバンは、「多くのユーザは、Windows XPを搭載した古いPCを放棄するのではなく、新たにWindows 7を実装したPCを導入しており、それはサイバー犯罪者にとっても朗報といえる。彼らサイバー犯罪者にとって、少なくともしばらくの間はWindows XPがターゲットなのだから。」と述べ、サイバー犯罪者といえども新しいOSを狙うための投資が必要ということからも、必ずしも古いOSの危険性が低いわけではないことについて触れています。

ソーシャルゲームに傾くWindows Phone 7
2011年初頭、NokiaがMicrosoftとの提携を発表しました。このパートナーシップは、2010年まで世界シェアトップを誇っていた NokiaのOS、Symbianの縮小を意味しており、今後、モバイルOSの市場が劇的に変化することが予想されます。

つい先日、Nokiaが「Mango (マンゴー)」というコードネームで知られている「Lumia800」と「Lumia710」をリリースしました。これは、Windows Phone7.5を搭載したスマートフォンで、他の端末メーカがTwitterやFacebookなどのSNSを拡充する中、ソーシャルゲームにフォーカスを当て、若年層に狙いを定めています。

たとえば、Xbox Liveのネットワークを用いてWindows Phone 7とXboxを同期することで、Xboxのゲームを利用できるサービスを展開するなど、多様化するモバイル端末市場での新しいポジショニングを狙っています。

ショーンは、このような端末間の互換性について次のように述べています。「たとえば、Microsoftの”.NET Framework”を使用すれば、Windows 7、Xbox Live、そしてWindows Phone 7などの異なる端末、プラットフォーム間で、高い互換性を実現できるため、開発者にとって、Windows全バージョン向けのアプリケーションを開発することは容易いだろう。もちろん、サイバー犯罪者がこの互換性に目をつけないわけがないが。」
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