CES 2012でPlayStation Vitaなどをアピールするソニーブース |
iPhoneやAndoridなどスマートフォンの普及で、携帯ゲーム専用機の将来が不安視されている。任天堂は同社の2012年度第三四半期決算説明会・経営方針説明会において、3DSで行ったいくつかの施策の結果、2011年末の販売数が好評だったことから、市場はあるとしているようだが、短期的な結果が出てもそれ以降が問題だ。
■ゲーム会社とスマートフォン会社の対照的決算
任天堂は、2011年2月に25,000円で発売したニンテンドー3DSの価格を8月に15,000円に下げ、年末に足りないと言われていた有力ソフトを投入したことで年末に販売数が一気に増えた。
過去の携帯ゲーム機と比べても発売1年目の結果としては最終的には過去最高となりそうな勢いだし、ソフト自体も好調のようだが、任天堂自体の決算は赤字になる見込みだ。
これは円高や3DSを値下げした結果、原価より販売価格の方が安いという逆ざが発生した事や、任天堂の据え置き型ゲーム機Wiiなどに勢いが無かったことが影響している。スマートフォンではアップルやサムスンが過去最高の業績を発表しているのとは対照的だ。
任天堂はニンテンドー3DSのソフト不足などの初動を失敗として、2012年末に主要国で販売する据え置き型ゲーム機Wii Uではそのようなことが無いように準備を進めているようだ。
3DSの逆ざやは2012年度前半に解決するというので、3DSとWii Uで同社の2012年度決算では好調な数字が期待できるかもしれないが、将来がどうなるかはゲーム市場の状況次第だ。
■PS Vitaの次の施策は
一方、ソニー・コンピュータエンターテイメント(SCE)のPlayStation Vitaはソフトの数自体は多かったが、売れ行きには直結していない。専用のメモリーカードが事実上必須な件や、初期不良などソフト以外の点での評判も芳しくない。
2月からはアメリカ、ヨーロッパなどで販売が開始されるが、日本市場での状況を見てか、アメリカ市場でPlayStation Vita 3G-WiFi Launch Bundleという8GBのメモリーカードなどのセット品を追加し299ドルで販売する。
通常の3G-WiFi版が299.99ドルなので、99セント安いお得なセットになっている。日本でも同様に何らかの施策が必要になるが、価格などはもちろん、任天堂におけるマリオシリーズのような有力なソフトが重要な課題だろう。
■スマートフォンユーザーをどのように取り込むか
PS Vitaを使用した一般ユーザーの中にはタッチパネルやジャイロなどに対応していて「スマホみたい」という感想を持っているようだが、スマートフォンみたいなゲーム機ならよりリーズナブルなiPod touchがすでに存在している。
子供に専用ゲーム機を買い与えるにしても、従来のDSソフトがそのまま遊べ、価格もVitaに比べると安い3DSの方を選ぶ方が多いだろう。
SCEはPlayStation Suiteというプラットフォームを用意し、AndroidスマートフォンなどでPlayStationのソフトが遊べる環境を用意している。今後普及台数が増加するAndroid端末でゲームユーザーを獲得し、より深いゲーム体験が楽しめるPS VitaやPS3などへ誘導しようというもくろみのようだ。
まだ対応機種も少なく、ソフトも十分に用意されているわけではない。肝心のソフト開発者向けのプログラムも現在ベータテスト中と、iOSなどの開発環境に比べ遅れているのも事実だ。
このプラットフォームは今後の動向において注目だが、PS Vita自体のてこ入れが第一だろう。
任天堂
ソニー・コンピュータエンターテイメント
アップル
上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]
digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。
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任天堂は、2011年2月に25,000円で発売したニンテンドー3DSの価格を8月に15,000円に下げ、年末に足りないと言われていた有力ソフトを投入したことで年末に販売数が一気に増えた。
過去の携帯ゲーム機と比べても発売1年目の結果としては最終的には過去最高となりそうな勢いだし、ソフト自体も好調のようだが、任天堂自体の決算は赤字になる見込みだ。
これは円高や3DSを値下げした結果、原価より販売価格の方が安いという逆ざが発生した事や、任天堂の据え置き型ゲーム機Wiiなどに勢いが無かったことが影響している。スマートフォンではアップルやサムスンが過去最高の業績を発表しているのとは対照的だ。
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通常の3G-WiFi版が299.99ドルなので、99セント安いお得なセットになっている。日本でも同様に何らかの施策が必要になるが、価格などはもちろん、任天堂におけるマリオシリーズのような有力なソフトが重要な課題だろう。
■スマートフォンユーザーをどのように取り込むか
PS Vitaを使用した一般ユーザーの中にはタッチパネルやジャイロなどに対応していて「スマホみたい」という感想を持っているようだが、スマートフォンみたいなゲーム機ならよりリーズナブルなiPod touchがすでに存在している。
子供に専用ゲーム機を買い与えるにしても、従来のDSソフトがそのまま遊べ、価格もVitaに比べると安い3DSの方を選ぶ方が多いだろう。
SCEはPlayStation Suiteというプラットフォームを用意し、AndroidスマートフォンなどでPlayStationのソフトが遊べる環境を用意している。今後普及台数が増加するAndroid端末でゲームユーザーを獲得し、より深いゲーム体験が楽しめるPS VitaやPS3などへ誘導しようというもくろみのようだ。
まだ対応機種も少なく、ソフトも十分に用意されているわけではない。肝心のソフト開発者向けのプログラムも現在ベータテスト中と、iOSなどの開発環境に比べ遅れているのも事実だ。
このプラットフォームは今後の動向において注目だが、PS Vita自体のてこ入れが第一だろう。
任天堂
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アップル
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