■スマートフォンの画面を大画面テレビに表示する
大画面テレビなどに接続できるApple TVという製品がある。Apple TVはそれ自体に各種映像などの再生能力があるが、MacのiTunesやiPhone、iPadなどとWi-Fi経由で接続する機能がある。この機能をアップルはAirPlayという名称で呼んでいる。

この機能を使えば、テレビにiPhoneなどのゲーム画面などを表示することができる。iPhoneとApple TV間はWi-Fiを使用するので、iPhone自体にコードなどを接続する必要は無く、最低限の設定さえすれば簡単にiPhoneの画面をApple TV経由で大画面テレビに表示することができる。

単にiPhoneと同じ画面を表示するのでは無く、たとえばレースゲームならiPhoneの画面はコースなどの情報を表示し、ジャイロを使ったコントローラーとして機能させ、大画面テレビにレース画面を表示するようなことも可能だ。

iPadの場合、Apple TVを経由すること無く、大画面テレビにHDMIケーブルで接続してゲーム画面を表示することもできる。これはiPad以外のAndroidタブレットでも可能になっており、スマートフォンやタブレットがあればわざわざ携帯型ゲーム機どころか、据え置き型ゲーム機も必要ない状態に近づいている。

■性能が向上するスマートフォンが据え置き型ゲーム機を脅かす
現在は表現力という点で、スマートフォンやタブレットは現行のXbox 360やPS3に負けているが、将来スマートフォンやタブレットの性能が向上すれば表現力がさらに向上し、据え置き型ゲーム機に近い表現力を持つようになる。

一般に据え置き型ゲーム機はHDグラフィックなどを使用するため、高性能の部品などを採用し性能も高いが価格も高いのが一般的だ。現在、Xbox 360は3万円弱、PS3は2.5万円ほどからとなっており、高性能のゲーム機はそれなりの価格になる。

しかし、先のiPhoneと接続するためのApple TVは単にゲーム画面を表示するだけでは無く、各種オンラインコンテンツなどの再生能力を持ちながら8,800円という価格で提供されている。

任天堂が2012年末に販売するというWii Uがどこまでスマートフォンなどを意識しているかはわからない。Wii Uでは画面がついたタブレット型のコントローラーを使用し、ニンテンドーDSのような2画面表示で新しい楽しさを想像しようとしている。

しかし、iPhoneとApple TVの組み合わせで同様の事はすでに実現できており、任天堂ならではの新しいゲームの楽しみをどう提案していくのか、Wii Uの詳細が公表される2012年6月のE3に注目だ。

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上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
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