ThinkPad X1 HybridのIMMシステムモジュール


レノボはCESで発表したThinkPad X1 Hybridを国内で報道関係者に初披露し、ここで使用されている技術について解説した。

OS切り替えが最大のポイントだが、パソコンではマルチOSのインストールは以前からあり、珍しい物では無い。

今回はThinkPad X1 Hybridのハイブリッド動作について説明しよう。

■Hybrid動作は他の何と異なるか
ThinkPad X1 HybridではOS切り替わり時にCPUも切り替わる。Windowsモードでは一般的なパソコンと同様にCore iシリーズなどのx86で動作し、Instant Media Mode(IMM)とレノボが呼んでいるLinuxベースのOS(Android)動作時には携帯電話などと同様のQualcommのCPUで動作する。

これは物理的に切り替わるため、OSの上で別のOSを動作させる仮想化とは異なる。

基本的にはWindowsからIMMを切り替えて使用するように設計されており、IMMだけを起動するようなことはできない。このため、起動時にブートマネージャーによりOSを選択するのとも異なる。

ThinkPad X1 HybridでOSが切り替わる際、Windowsならスリープ状態に移行するが、それに合わせて、キーボードやディスプレイなどの電気的な接続も、それぞれのシステムに接続するように切り替わる。

この切り替えに必要なのは2秒程度で、再起動などは必要なく、いつでもOS上のメニューをクリックするだけで可能となっている。

複数のPCを使用する際、キーボードなどを共通化し、接続するPCを変更する切り替え機やディスプレイ切り替え機がある。これと同様に一見通常のノートパソコンに見える本体内に2つのシステムと切り替え機が入っている。

ThinkPad X1 Hybridには切り替え機の高機能版が入っており、キーボードやディスプレイを内部的に切り替えて使用するが、その動作が非常に高度でスムーズと考えるといいだろう。
PC側とIMMのブロック図


■切り替え技術はどう実現した?
簡単に言えば、キーボードやディスプレイをOSにあわせて切り替えているだけだが、この切り替えは簡単ではない。

詳しい技術に関しては公表していないが、ベースとなるThinkPad X1にスイッチ回路やIMM向けの機能などを加えた上で、ファームウェアなどもこれに合わせて改良するなど様々な改良で実現している。

IMMの基板自体はPCI Expressミニカードの無線LANモジュールなどと同等のサイズだが、ディスプレイなどを接続するために別途コネクタでケーブルが接続されているなど、PCI Expressのインターフェースをそのまま使用しているわけではない。


レノボによればこの機能を実現するために同社の大和研究所やアメリカ、中国などの各地のReserch & Technology(基礎研究・先端技術)拠点との連携が必須だったのこと。

当然ながら、ハードウェアだけで実現したのでは無く、ソフトウェア面での改良もされている。
次回はIMMの機能などについても解説する。

レノボ

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。

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