総務省は2012年2月3日、「電気通信事業分野における競争状況の評価に関する基本方針」及び「電気通信事業分野における競争状況の評価に関する実施細目2011」を発表した。

同資料によると、近年、無線の高速ブロードバンド化やスマートフォン等の端末の多様化が進展するとともに、それに伴い、いわゆるネットワークレイヤーとそれ以外のコンテンツ・プラットフォームや端末といった上位・下位レイヤーが相互に連携するなど、新たなビジネスモデルが登場しており、移動系のデータ通信に対する関心が高まってきている。

実際、スマートフォンの高性能化にともない、自宅はブロードバンド環境で、外出時はスマートフォンによるモバイル環境で、インターネットを利用するユーザーが増えているようだ。

先日、『小森純さんが「auスマートバリュー」で子作り宣言!KDDI、家族でお得な新サービスを開始』という記事でお伝えした「auスマートバリュー」は、まさにそうしたユーザーをターゲットにした新サービスなわけだが、ブロードバンド環境は地方ごとに大きく異なっていることに注意したい。

■東北や関東でとくに強いNTT
総務省が2011年9月に発表した「電気通信事業分野における競争状況の評価2010」によると、FTTHとADSL、CATVインターネットを含めたブロードバンドの契約数は増加傾向にある中、NTT東西と他社とのシェアの差は依然として大きいことが明らかとなった。

とくに東北や関東においては、NTT東日本が実に50%を超える圧倒的なシェアを占めており、CATVインターネットをはじめとする他社ブロードバンドの追随を許さない状況下にある。

そうした中で特殊ともいえるのが関西エリアだ。


■NTT光を逆転!CATVが強い関西エリア
関西エリアのブロードバンドにおいて、NTT光のシェアは他を圧倒しているのは事実だが、NTTを猛追するケイオプティコムの「eo(イオ)光サービス」に、全CATVインターネットやKDDIの「auひかり」を加えると実に50.3%となりNTT光を逆転する。

これに目をつけたのが、『小森純さんが「auスマートバリュー」で子作り宣言!KDDI、家族でお得な新サービスを開始』という記事でお伝えした「auスマートバリュー」だ。
2月14日の発表会において説明をするKDDI関西コンシューマー支社長・甘田純一氏

本サービスは、auスマートフォンのユーザーにお得なプランとなっている。
「ISフラット」または「プラン(IS)シンプル」を利用している状態が前提になるが、これに「auひかり」「auひかりちゅら」「コミュファ光」「eo(イオ)光サービス」といった光回線や「J:COM」「JCN」といったKDDIと提携したCATVインターネット回線の固定通信サービスを契約していると、割引サービスが受けられる。

家族4人がスマホ持ちなら単純計算すると1480円×4で5920円もお得になる。毎月5920円が2年間引かれるので、5920円×24カ月=14万2,080円という金額になる。また学生向けの「ともコミ学割」も適用できるため、1480円にさらに980円が加算され2年間は月額最大で2460円もお得になる。


auスマートバリューは、CATVインターネットとの連携という意味で異例のことだが、対象となる回線業者は関西だけではなく、北は北海道から南は沖縄まで、日本全国で展開されている。

「安さ」を勢いに、関西のシェアを奪取したケイオプティコム。今回のKDDIによる大提携が、同様に日本全国でシェアを覆す可能性を秘めているかもしれない。

KDDI