「日経新聞」が、iPad用の紙面閲覧アプリ「日本経済新聞 for iPad」の配布を開始した。同社は紙でできた新聞の宅配と電子版の閲覧を組み合わせた有償プランである「日経Wプラン」を展開するがiPad向けのアプリは、そのプランにも含まれる。ビジネスパーソンなら購読しておけと言われる“日経”だが、どういったサービスになっているのかその使い勝手に迫った。
■独自コンテンツもある電子版
アプリの紹介前に、日経の新聞購読サービスについて説明しておこう。まず、「日経新聞」の宅配のみの金額は、月額4,383円。さすがに経済専門紙ということで一般的な新聞よりも割高だ。さらに日経新聞の電子版は会員制となっており、この会員料金は月額4,000円。新聞の宅配と同時加入すると、割り引かれて合計で月額5,383円となる。
もはや情報を無料で提供していてはペイできない時代になってしまった。ネットを無料で使ってきたユーザーにとって有料コンテンツに、なかなかなじめないという人もいるだろう。ただ日経の特殊性がベースにある。他紙にない企業や株式市場の金融市場といった詳細な経済関連の情報が読めるのであればと、お金を出す人がいるためサービスとしてなんとか成立していると見ていいだろう。
紙の新聞に対して電子版を読むメリットは、記事をデジタル情報として入手できることだけではない。紙面にはスペースという制約があるため、スペースの関係上概要しか掲載されていない注目されているビジネスキーマンのインタビューの全文が読めるといった電子版独自のコンテンツがある。
また電子版では朝刊・夕刊の記事は過去1週間分が掲載される。そして、それ以前の記事は、キーワード検索をかけることで26件まで無料で閲覧できる。紙の新聞を保存しておいて「どこだっけ?」と検索するのは手間だが電子版なら一発で検索可能と楽だ。なお26件目以降の閲覧は、1件あたり175円かかる。
■記事の共有もできるが…
さてここで本題に入ろう。「日本経済新聞 for iPad」の紹介だ。むろん、このアプリの利用は、電子版の会員となっていることが前提となる。「日本経済新聞 for iPad」では、日経新聞の最新版を紙面と同様のPDFファイルで閲覧できる。閲覧できるのは1週間分で、それ以前にダウンロードしたファイルは、順次削除されるようになっている。
このアプリが出るまではiPadのブラウザ経由で電子版を閲覧することになっていた。Webによる電子版の記事は基本的にHTMLベースで、記事がどこにレイアウトされているのか(紙面上の割付場所)は、ページ横のFlash画像で確認できる。
ただ、いかんせんiPadはFlashに対応していないため、ここが表示されない。そのため、トップ記事なのか1段なのかといった、記事の重要度についての編集意思がくみ取りにくく、同じ記事でも、Web版と実際の新聞では印象が大きく異なる場合があった。「日本経済新聞 for iPad」を使えば、実際の紙面のように閲覧できるので、このようなことがなくなる。新聞紙に慣れた読者には、なじみやすい閲覧方法だ。
■共有機能には限界あり
また、記事のテキストベースでの一覧表示(従来のiPhone版と似たインターフェイスになる)や保存、検索機能もある。
記事を選択しての印刷、メール送信、Bluetoothによる近隣のiPadユーザーとの共有も可能。メール送信は、記事の電子版へのURLを送信する形になる。ただし、当然のことに送信する相手も日経電子版の会員でなければならない。
新聞の電子版では「産経新聞」などが先行していたが、日経が本格的に参入したことで、この種のサービスがより充実する気配が出てきた点は喜ばしい限りだ。今後も、機能面の向上に加え、価格などサービス面での柔軟化にも取り組んでほしい。
■日本経済新聞
大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]
digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
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もはや情報を無料で提供していてはペイできない時代になってしまった。ネットを無料で使ってきたユーザーにとって有料コンテンツに、なかなかなじめないという人もいるだろう。ただ日経の特殊性がベースにある。他紙にない企業や株式市場の金融市場といった詳細な経済関連の情報が読めるのであればと、お金を出す人がいるためサービスとしてなんとか成立していると見ていいだろう。
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■記事の共有もできるが…
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ただ、いかんせんiPadはFlashに対応していないため、ここが表示されない。そのため、トップ記事なのか1段なのかといった、記事の重要度についての編集意思がくみ取りにくく、同じ記事でも、Web版と実際の新聞では印象が大きく異なる場合があった。「日本経済新聞 for iPad」を使えば、実際の紙面のように閲覧できるので、このようなことがなくなる。新聞紙に慣れた読者には、なじみやすい閲覧方法だ。
■共有機能には限界あり
また、記事のテキストベースでの一覧表示(従来のiPhone版と似たインターフェイスになる)や保存、検索機能もある。
記事を選択しての印刷、メール送信、Bluetoothによる近隣のiPadユーザーとの共有も可能。メール送信は、記事の電子版へのURLを送信する形になる。ただし、当然のことに送信する相手も日経電子版の会員でなければならない。
新聞の電子版では「産経新聞」などが先行していたが、日経が本格的に参入したことで、この種のサービスがより充実する気配が出てきた点は喜ばしい限りだ。今後も、機能面の向上に加え、価格などサービス面での柔軟化にも取り組んでほしい。
■日本経済新聞
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