現在、世界中で広く使われている携帯電話の方式は、2G(第2世代)のGSMとWCDMAなどの3G(第3世代)だ。多くの端末では、通信方式の違いを考えることなく、国際ローミングなどで国やキャリアが変わっても問題なく使用できるようになっている。

ただ、こうなったのは最近のことで、GSMも数年前までは周波数の違いでどこでも使えるというわけではなかった。第四世代のLTEも当初のGSMのように当面はどこでも使えるわけではないことが、先日発表された新しいiPadでわかってきた。
GSMはいわゆる第2世代の携帯電話の規格で、日本や韓国を除く世界中で使われている。今では多くの先進国でドコモのFOMAなどと同じ3Gの普及も進んでいるし、その次の世代と言えるLTEの展開も始まっている。
それぞれの通信方式であるが、3G方式でドコモとauで違うようにLTEにもいくつかの方式があり使える周波数もキャリアによって異なる。

GSMは大きく分けて4つの周波数帯で使われており、現在のGSM対応端末の多くはそのすべての周波数に対応したクアッドバンド対応モデルだ。GSMでクアッドバンド対応なら、その端末をどこに持って行っても使用できる。

ただ、こうなったのは数年前からで、デュアルバンド(2つ)やトライバンド(3つ)にしか対応していない端末も少なくなかった。もちろん、今でも数千円で販売されるような端末はデュアルバンドにしか対応していなかったりするが1万円を超えるような端末ではクアッドバンド対応がほとんどだ。

■4GのLTEは始まったばかり
つい先日発表された“新しいiPad”は4G対応だ。北米ではAT&T版とベライゾン版の2つのモデルがある。
この4G対応版が日本のLTEサービスに対応できるかという点が問題だ。少なくとも発売当初はLTEに非対応のソフトバンクでしか提供されないので、ソフトバンクの回線でLTEが使えることは無い。

ハードウェア的にはLTEに対応しているので、たとえばドコモのLTEサービスが使える可能性も残されている。しかし、細かな仕様が原稿執筆時点で公開されていないため詳細はわからないが、たとえばAT&T版のiPadはドコモのLTEサービスXiにハードウェア的に対応できない可能性がある。

将来、LTEサービスが世界中で普及すれば、世界各地の周波数や方式に対応した端末が登場してくるだろうが、現時点では多くの端末で他の通信規格の開始当初のように、限られたサービスしか使用することができない。

ある程度割り切って製品選びをできる人にはいいが、長く使おうと思っているなら、世界中での対応状況がはっきりしてから最新サービス対応機を選んでも遅くは無いだろう。

Apple iPad

上倉賢 @kamikura [digi2(デジ通)]

digi2は「デジタル通」の略です。現在のデジタル機器は使いこなしが難しくなっています。
皆さんがデジタル機器の「通」に近づくための情報を、皆さんよりすこし通な執筆陣が提供します。


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