ソニーは日本のモノ作りの代表企業だ。そんなソニー製品を支えているのが、デジタルスチルカメラをはじめとするデジタルイメージング商品だ。

2011年のGfKデータでも、レンズ一体型デジタルカメラ、レンズ交換型デジタルカメラ、デジタルビデオカメラの3部門を統合したデジタルイメージングにおいてNo1を獲得している。この分野においては、絶好調ともいってもよく、2012年の本年も期待できると言えるだろう。その典型的な例として大人気のデジタルスチルカメラを紹介しよう。

ソニーのデジタルスチルカメラ「DSC-WX100」は、光学10倍ズームを搭載しながら非常にコンパクトに仕上がっているのが魅力だ。最薄部が17.5ミリと2センチを切るスリムさに加えて本体の重さが約108g、バッテリーと記録メディアを含めても約124gと非常に軽い。同社によると光学10倍ズーム以上を搭載したデジタルカメラの中では、世界最小・最軽量となる。

■構図がピタっと決まる手ぶれ補正ズームと高速オートフォーカス
まずはDSC-WX100(以下、WX100)が持つ優秀な光学ズームの手ぶれ補正機能について見て行こう。光学10倍ものズームでは望遠側にズームするほど、手ぶれが発生しやすくなる。上下左右にちょっと動かしただけで画角が大幅に変わってしまうからだ。これは高倍率の光学ズームを搭載しているデジタルカメラ共通の悩みどころである。

WX100は同社の定評ある手ぶれ補正Super Steady Shot方式を踏襲しているのに、加えて新開発のジャイロセンサーを搭載して従来の手ぶれ補正機能よりも補正の精度が向上している。さらに新開発のオートフォーカス機能によって狙った被写体にピントをすばやく合わせることが可能になった。

例えば「望遠側にズームしながら、動いている被写体に対してすばやくピントを合わせてシャッターを切る」といったことも手ぶれやピンボケを気にせずに行えるのだ。

動きの激しい子供の運動会や動き回るペット撮影では一瞬の油断でシャッターチャンスを逃してしまう。こうしたシーンでも、すばやく構図を決めた瞬間にカメラがピントを合わせて撮影できるので「しまった!撮り逃がした!」「あ~、ピント合わせられなくて行っちゃったよ~」といった残念な思いをしなくてすむ。

■撮像素子からレンズまで一貫して自社技術を投入できるソニーの強さ
ソニーはデジタルカメラ向けの撮像素子を自社で生産できる数少ないメーカーである。またαブランド継承によりレンズの開発能力も自社でできるようになり、デジタルカメラに必要な技術すべてを自社でまかなえる。ここが、ソニーのデジタルカメラの他社にない大きな魅力だ。

特に、光学10倍ズーム機能を搭載しながら最薄部が17.5ミリという薄さは、自社でレンズも開発できなければ実現不可能である。AAモールド(Advanced Aspherical:高度非球面成型)技術により7群9枚(うち非球面レンズ4枚)の光学10倍ズームは、高い描写能力を維持しながら薄型化に成功したレンズだ。

このレンズには光学ズームと新開発の手ぶれ補正、そして高速オートフォーカスの3つの機能が組み合わされており、DSC-WX100の大きな魅力にもなっておいる。

ほかにも高画質映像エンジン「BIONZ」(ビオンズ)やデジタル一眼でも使われているソニー独自の“高感度”裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」(エクスモア アール)搭載も見逃せないポイントだ。

ズームレンズは、望遠側で暗くなってノイズが出やすくなる。CMOSセンサーExmor R(有効1820万画素)は高感度(最大でISO12800)で、光量の足りない暗いシーンでもノイズの少ない画像が得られる。BIONZによる画質補正もノイズの少ない自然な画像処理や細かな露出・コントラストの最適化で高画質を実現してくれるのだ。

WX100は、コンパクトさを追求しつつも、高画質と操作性を犠牲にせずに高機能化を果たしているところからもソニーの優れた技術を体感でみる製品といえるだろう。もちろん高性能だけでなく、デザインや使い勝手など、ユーザーの視点に立った製品開発にブレがない。

サイバーショット WX100が一躍大人気モデルとなったのはこうした背景があったからこそだと思っていいだろう。

DSC-WX100 | デジタルスチルカメラ Cyber-shot“サイバーショット” | ソニー