物理学者のアインシュタインが「宇宙最強の力」「最大の数学的発見」と呼んだのが、複利である。簡単に言えば、金利上乗せ分に金利がつく計算法なのだが、この知識は投資活動において欠かせないものだ。だが、複利の計算法にはなじみのない人がほとんどだろう。この計算を簡単に行い、イメージ化してくれるのが、iOS(iPad、iPhone、iPod touch)版のアプリ「iCompaund」である。


■複利は生活に身近な存在
クレジットカードや消費者ローン、住宅ローンの金利は複利計算だし、経済データ(国内総生産[GDP]成長率など)の「%表示」も、多くは複利を原理としている。

複利は生活に身近な存在なのだが、計算法となると、理解している人は少ない。たとえば、欧州諸国の「国家債務(ソブリン)危機」が騒がれたとき、「国債金利が7%を超えると危険」という報道が新聞記事にあふれた。複利を知っていれば、この報道の意味も理解できる。

なぜ7%なのか? 複利計算では、7%(正確には7.18%)の金利だと、10年で2倍になるからである。たとえば、100万円を7.18%の金利で借りると、10年後には200万500円になる。先の「危険」という報道は、この心理的目安を指しているわけだ(ちなみに、11.62%だと10年で3倍になる)。

■複利計算とグラフ化が簡単に
このように、複利を知らないとマクロ経済の動向が理解できず、ひいては投資の姿勢を誤ることになる。

「iCompaund」は、簡単に複利計算を行い、結果をグラフ化してくれる無料アプリだ。ユーザーは元本、利回り(金利)、期間をタップして入力するだけ。毎月の積み立てを計算に入れることもできるので、投資信託などによる資産形成のシミュレーションにも使える。

これだけのシンプルなアプリだが、複利の重要性が理解できれば、このアプリのありがたさもわかるだろう。頭脳を、投資に適した「複利頭」にする上でも有効だ。


大島克彦@katsuosh[digi2(デジ通)]

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